邦訳は絵芝居の劇作家・演出家としても有名な鴻上尚史さんです。
この絵本はちょっと変わった趣向で、お芝居をするためにはどうするかの演劇の入門になっています。
作りも面白くて、全てではなくて、描かれている絵の中の一部にコサージュを張り付けた演出をしているので、不思議な立体感で見せてくれています。
例えば、おめんを持っている男の子の絵の上に別に描いて切り貼りしたおめんをさらにコサージュとしてつけています。
大声をあげている女の子の口の中から、別の紙に書いた楽譜の一部が飛び出していたりします。
物語要素は一切なく、子どもでもできる演劇の職業体験風に作られています。また、邦訳が鴻上さんなので、日本語としての表現力もわかりやすくて面白いです。
読み聞かせには向いていませんが、ブックトークなどで紹介できたら面白いなぁと、思いました。