村にとって稲は生活を支えているとても大切なものでした。
そして、稲作こそが日本社会の根底を支えてきた営みでした。
そんなところから、この伝承話も意味深いのでしょうか。
村人たちが病気に倒れて、田植えができません。
そんなときに、ひとりぐらしのおうめばあさんの家を訪れたお坊さん。
お坊さんが村中の田んぼの田植えをしてくれました。
泥だらけのお地蔵さんと、泥のついた絵馬。
稲作を大切にする日本文化の中で、信心と祭りは切り離せないものだと感じました。
この絵本を読みながら、大震災の被災地を思い起こします。
多くの田畑が流され、助かった人々も生活のすべを失ってしまいました。
このお話のように、お地蔵さんがいたら、誰かが生活を支えてくれたら、人々も一つになれるのに…。
軽い思いで読んではいけませんね。