もぐり漁師だった太一の父は巨大な魚と格闘して海で命を落とした。
やがて太一も漁師になり、海へもぐるようになった。
そして、あの魚と遭遇し・・・。
父を追い越そうとしても、亡くなった者と自分を比べるのは至難の業。
太一は父の姿を追いかけながら、海に潜っていた。
父に今の自分の姿を見てほしいそんな願いもあったのだと思います。
そして、あの魚に出会い、思いが葛藤する中、
何かがふっきれたのでしょう。
きらきら輝いて水しぶきをあげる海。
夕焼けにそまってためいきがでるほど美しい海。
静まり返った真っ暗な闇に不気味ささえ感じる海。
その時々でまったく表情をかえるのは海が生きているから。
生きている海の豊かさは人の心を満たしてくれると強く感じました。
伊勢さんの描く海はとても素晴らしかったです。
父への思い、「いのち」とは何かなど小学校高学年くらいの
お子さんに読んでもらいたい内容です。