この絵本は、すべて猫の目線で描かれ語られているので、
この猫がどんな人物に飼われていて(一か所だけ、お父さんと10歳前後の娘が画面上に出てきますが)、なんという名前なのかもわかりませんが、
好奇心旺盛な若い猫だということは、その行動から伝わってきました。
片目でこっそり獲物をのぞいたり、忍び足で近づいたり…。
身近に猫がいて、愛情を持った観察をしていないとこんな表情や動きは描けないとおもいます。
さすがにマンションの屋根から落ちていくところは、ややコミック的な描き方をされていましたが、そこはおはなし的にも盛り上がるところなので、このくらいダイナミックな感じでも違和感はなかったです。
個人的に一番気に入ったのは、落ちた後のページ。
プライドはズタズタだ。
のところ。
我が家では猫は飼っていませんが、動物は好きなので、こういう猫の姿、見たことあります。「あるよね〜」って、感じですごく愛らし方です。
何箇所かコミックのようにページ内にコマ割りがしてありますが、
全体はっきりとした形と色の絵柄なので、読み聞かせにも使えると思います。
最近「猫」の登場する作品は増えてきているので、テーマを決めてブックトークで使うのもいいかもしれません。