宮部みゆきさんといえば、絵本の『悪い本』が思い浮かびます。
心の奥に差し込む読後感は同じです。
フィヨルドの町、ヨーレには、毎晩悪い怪獣がやってくるのですね。
クマーは同じ容姿ですが、透明で人には見えず、悪い怪獣を人知れず退治しているのです。
ところが、その際、角を負傷したために、透明でなくなり、
その容姿のために疎まれるのです!
なんとも切ない展開に、心が痛みます。
外見の残酷さ、でしょうか。
本当のことって、見えない時に悲しいことをも引き起こすのですね。
フィクションのおはなしですが、現実もほうふつさせます。
小学生以上、年齢が上がるほど、共感できるような気がします。