暑い夏の日、小さなお化けのドッチがアッチのレストランに訪ねてくる。母が厚さでダラーンとしているのでどうにか元気になって欲しい。そんな時はフルーツポンチ。二人はそれぞれ作り始めるが、いつの間にかフルーツのお城がそこにあり、妙な世界に入り込んでしまう。
夏バテしてダラーンとした様子、宝石のように美しいフルーツポンチ、不思議なお城の中の澄んだ空気感など、生き生きと表現された絵が素晴らしい。色とりどりでちょっと昭和レトロな雰囲気があるフルーツポンチが妙に嬉しい。子どもの頃、小学校の給食で出たのは白玉団子入りで、缶詰の果物やバナナが入った安い味わいだったが、みんな大好きで取り合いになっていた。大人になってからはフルーツポンチなど見る機会もなかったから、余計に新鮮に感じた。
自分で作ったことはないので、今度、果物をいろいろ混ぜて、ソーダ水などを入れるこの本の作り方で作ってみよう。フルーツポンチを題材にファンタジーを紡げる作者の感性が素敵だ。