『OUTSIDE OVER THERE』が原題。
脇明子さんの訳『まどのそとの そのまたむこう』で有名ですが、
日本語で詩作するアーサー・ビナードさんが新解釈で訳出しています。
思わず、原書を入手し、旧訳と合わせて読んでみました。
忠実に訳した脇明子さんバージョンもいいですが、
アーサービナードさんバージョンは一歩踏み込み、
わかりやすく補足した訳出です。
船乗りのパパが出かけている間、アイダは幼い妹のお守りをしていたのですが、
ちょっと目を離したすきに、ゴブリンにさらわれるのですね。
さあ、妹を取り返すアイダの冒険譚です。
ゴブリンというのは、ハリー・ポッター作品にも登場する有名な小鬼ですが、
ここでは変身した姿を披露していることもあり、日本の子どもたちにとっては認識が難しいかもしれません。
さらには、ゴブリンにさらわれるところから異界の世界が描かれており、
絵で読ませるところもナビゲートしてくれています。
うわのそら、という表現が印象的です。
題名は意訳ですが、
これは、パパからの手紙の新解釈だと思います。
だからこそ、題名に持ってきたのかもしれませんね。
原画も最新技術でクリアな印象です。
難解な作品ですが、アイダの活躍は、子どもたちにとってすがすがしいと思います。
小学生くらいからでしょうか。