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あほろくの川だいこ」 ヒラP21さんの声

あほろくの川だいこ 作:岸武雄
絵:梶山 俊夫
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,320
発行日:1974年03月
ISBN:9784591019245
評価スコア 4.67
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みんなの声 総数 8
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    自分が揖斐川の上流で生まれたから、自分にとってとても意味深い作品に巡り会えたと感じます。
    岐阜の言葉(揖斐地方の)、揖斐川下流の風土、土地の風土、郷土の思想、それぞれが自分にいろいろなものを伝えてくれました。
    上流から流されてきた青年。
    失明し、記憶を失って「あほろく」と呼ばれるようになります。
    とてもかわいそうな存在なのですが、最初は憐れんだ村人も厄介者、蔑むものとして青年の存在を切り捨てていきます。
    村という組織のエゴでしょうか。
    自分はそこまでの思いはないけれど、都市化されない村組織は閉鎖的であるには違いありません。
    その中にはエゴイズムも、どろどろした人間関係もないわけではない。
    しかし、そんな村を否定するべきものかというと、そうでは決してない。
    村人も自分たちのために一生懸命。
    それは自己中心的ではなく、村中心的なエゴなのでした。
    大雨が降れば氾濫する川。
    その意味もこの絵本で説明しています。
    徳川時代の政策に縛られていたのですね。

    おばあさんと働くときには、自分の一部を取り戻した「あほろく」でした。
    どんな生活をしてきたのでしょうか。
    さりげなく書かれる方言の柔らかさをとても懐かしく感じました。

    おばあさんが亡くなって、村人は「あほろく」に川だいこの役を与えました。
    氾濫の多い地方だけに、話の展開は村人にとっては切実。
    「あほろく」にとっては、仲間でいられるための課題だったのです。
    それだから一生懸命だった「あほろく」は洪水に流され、必死の思いの村人はその「あほろく」を省みることなく逃げ出します。

    人間だれもがそうではないけれど、そうなるかもしれない存在だと感じます。

    重い重いテーマでした。
    そして、揖斐川の上流を愛した自分にとって、徳山ダムを含め、開発と都市化はこの地方に何をもたらしたのか、考えさせられる話でした。

    (そこまで考えると読み聞かせできないので、あくまで物語の悲しさを聴き手と共有することをお薦めします)

    投稿日:2011/06/21

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