どの位の生活程度なら貧乏と感じるかは、人それぞれかもしれません。
けれど自分の現状に思い悩む主人公・陸の姿を見ていると、子供がこんな風に悩んでいる時点で、かなりの貧困状態なのではないかと感じられました。
親も、子供が感じている辛さはうすうす気づいてはいると思うけれど、正直に貧困を認めるのが辛くて、見ないふりをしているように思えてしまいました。
誰か陸に寄り添ってくれる人はいないのか・・・?
貧困そのものの辛さよりも、助けてくれる大人がいない状態の陸の心の辛さの方が哀しくなってしまう、そんな内容でした。
親も自分の現状を認めて、各機関へ相談に出向けば、子供にも肩身の狭い思いをさせることもなく、辛い気持ちにさせることも減るのではないか・・・ そんな風にも思えました。
お話の最後では、陸が自分の家族が受けられそうな援助があるということを知り、動き出そうとしている様子が描かれています。
このお話に続きがあるならば、陸の心がもっと穏やかな気持ちになっていることを願う、そんなラストでした。