小学生の時に、母に買ってもらった絵本です。夏休みだったと思います。絵本の真似をして、姉と手を繋いで「かげおくり」をしてみました。本当に空に影ができるので、感動した記憶があります。この絵本をきっかけに、広島の原爆ドームに家族旅行をしました。
大人になって家庭を持ち、久しぶりに実家でこの絵本を見つけて、読み、泣きました。
淡々とした文面で、静かに命に幕を下ろすちいちゃんを描いたこの作品は、子供よりも大人にオススメの絵本です。
戦争に対する激しい表現がなくて、子供の頃は理解しきれていなかったのですが、その淡々とした文章の中に、幸せな幼い命を奪う戦争の酷さが、しみじみと描かれているようで、涙なくしては読めませんでした。
読み手側にとっても、最期に家族がちいちゃんをお迎えにきてくれたことが、とても救いになりました。
せめて、娘にはこんな体験はさせたくない、と切に思いました。