宮沢賢治さんの作品に、西村繁男さんが軽快な絵を添えています。
作者本人と思われる「私」が迷い込んだのは、狐の小学校。
一風変わったオープンスペースの小学校の授業の様子が、
現実とファンタジーのはざまで愉快に立ち昇ります。
そもそも、「茨海」という地名が、その入り口。
作者らしい導入です。
地質にも詳しかった作者の世界観が伺えます。
生徒たちのやんちゃぶりも、教育者だった作者の温かい目線がで昇華されています。
授業内容も意外に高度で、道徳にも通じる内容にドキッとさせられます。
単なるファンタジーで収まらない、独特の余韻が残ります。
意外に奥が深い作品です。