ラオスの森の絵本作成ということで、ラオスのアーティストとタッグを組んだこの作品は、目が飛び出るくらいパワフルで、限りなくアートだと感じました。
人形やオブジェの迫力が半端ありません。
その作品群を田島さんは協調し合う形で、物語を展開していきます。
それは、生物多様性への思いと、自然環境保全を絶対テーマとする田島さんの真骨頂でしょう。
安易な開発によって、村の生活は苦しくなり、村を守る精霊たちは姿を消しました。
母子二人暮らしだったノイの母親も死んでしまいます。
その上精霊たちの怒りで、大洪水が起こります。
その洪水に巻き込まれたノイは、一人の少女を助けあげ、ともに昔の森を再生し始めるのですが。
予測できなかった展開の伏線は、ノイの犯した過ちのせいでしたね。
綺麗ごとではない泥臭い作品です。
物語の中で、オブジェたちがこちらを睨みつけているような、気迫がありました。