子ども向けに書かれたシリーズ「美しい数学」第4巻。
絵の安野光雅さんは、「旅の絵本」「ふしぎな絵」等の美しい絵本の他にも「はじめてであうすうがくの絵本」を始めとした数学の絵本でも、つとに知られています。
作の安野雅一郎さんって、誰と思って調べたら、やはり安野光雅さんのご子息でした。
血は争えないもので、雅一郎さんは、早稲田理工学部率。
そのセンスを絵本に展開したという企画が生まれた時点で、この作品は成功したと言える、そんな作品です。
最初に登場するのは壺。
その壺の中には、広い海があり、海には1つの島があり、島には2つの国があり、2つの国には3つの山があり…、とページをめくる度に数が階乗に増加していきます。
とにかく、絵が美しい。
壺の絵なんて、惚れ惚れするくらいです。
後半は一転して、解説が始まります。
文章はそのままに、お話に出てくる数を点で表すのです。
数が多くなり、戸棚の40320になったところで、もう表示が出来なくなりこの試みは終わるのですが、数を実感するという点で、とても面白いと思います。
最後には、数字の説明もあり、下記の表が掲載されていたりするので、その仕組みが良く分かります。
島 1= 1
国 1×2= 2
山 1×2×3= 6
城 1×2×3×4= 24
町 1×2×3×4×5= 120
家 1×2×3×4×5×6= 720
部屋 1×2×3×4×5×6×7= 5040
戸棚 1×2×3×4×5×6×7×8= 40320
箱 1×2×3×4×5×6×7×8×9= 362880
壺 1×2×3×4×5×6×7×8×9×10=3628800
数学の絵本ではあるのですが、親しみを持って接することのできる作品です。
小学校低学年位が対象で、数学の楽しみを感じてくれること間違いなしの絵本としてオススメします。