この絵本に限って言えば、言葉はいらないと思えるくらい絵の描写が圧巻なのです。
水に囲まれた小さな町を兄妹が散歩しています。
風景がどんどん変わって行くのですが、すべて水面の向こうに描かれています。
主役は水面の向こうの町ではなくて、水面に映った町なのです。
水面に映った町はいろんな表情を見せてくれます。
風に吹かれたり、水鳥が泳いだり、雨が降ったり…。
日が暮れて、なんとなく妹が不安になって行く様も水面に映っているようです。
小さな町は、気がつけば小さな島でした。
まあるい島は、大きなバースデーケーキに変わります。
ミゴト!!!
藤田さんの着想と、絵を描いているアングルに脱帽。
まずはだまされたと思って、眺めて欲しい絵本です。