酒井駒子さんの描く夜が、大好きです。
すこしさみしくて、でもとても温かい。
たとえば昼間は温かくても、夜は何だか冷たいなんて感じるのは、大人だからなのでしょうか。
考えてみれば子どもの頃は、そんなふうに思ったことは一度もなかったような気がします。
大好きな父と母に守られている安心感。今日一日が楽しかったという幸福感。
そんな気持ちで眠りにつくからこそ、むしろ、夜は温かいものだと感じていたのでしょうか。
酒井さんの描く夜は、子供時代のそれを思い出させてくれます。
もう戻れないことを知っているから、読むとすこしさみしいのかな。
けれども そんなこの世界観が、私は大好きです。
よるくまちゃんのお母さんを探しに、この世界へ出かけてみてください。大人のかたも、是非。