夜眠りに付く前、子ども(特に私の娘)はとてもおしゃべりになります。この「よるくま」は、そんな眠りにつく前のひととき、子ども(ぼく)と母親が交わす会話のなかで展開されていくストーリーです。
“よるくま”と一緒に“ぼく”は、いなくなった“よるくまのお母さん”を探し回ります。はちみつ屋さんに行っても、公園に行っても、“よるくまのお母さん”は見つかりません。心細さと不安で、とうとう“よるくま”は夜の闇のように真っ暗になってしまいそうになるのですが・・・。
子どもにとって眠るということは(特に私の娘の場合)、好奇心が遮断されるみたいに感じられるようで、寝かせようとすると大変な抵抗をしてきます。また、夜の闇というのが、とても怖いのでしょう。
酒井駒子さんの描く夜は、安心と不安が同居した空間、それゆえに誰かに見守られて眠りにつく幸福が、鮮やかな黄色と黒で表現されています。
おやすみ前に読む一冊にとてもおすすめの絵本です。