『サカサかぞくのだんながなんだ』の時代劇バージョン。
全て回文(上から読んでも下から読んでも一緒)でストーリーが展開していくという、
まさに巧妙な構成。
しかも、サカサかぞくの夫婦愛・家族愛もしっかり描かれ、
なおかつ、起伏に富んだサスペンスはお見事です。
今回は時代劇風ということで、だんなも「渋い武士」なのです。
ある夜、屋敷に忍び込んだ忍者に連れ去られただんな。
寝ているところを襲われてはたまりません。
あっけなく拉致されますが、台風のおかげか、一騎打ちにもつれ込み・・・。
月夜のシチュエーションが臨場感たっぷりで見せ場です。
危機一髪に、妻の機転。
これは爽快です。
かくして、夫婦の絆は永遠なのですね。
やや苦しい回文も見受けますが、シチュエーションにぴったりの回文の出来があまりに良いので、
気になりません。
ラストは、まさに、サカサかぞくらしい大団円。
まさに渋いストーリーでした。