数年前に柴田愛子さんの本を読み、文体からにじみ出る人柄にファンになったひとりです。
子どもと母親への温かいまなざし。
この絵本にはすべてがつまっているように思います。
特にガチガチの子育てをしている方へおすすめします。
この絵本は説教くさくなく、生き生きと毎日を生きている子どもたちの日常が勢い良く飛び込んできます。
絵もとっても魅力的です。
子どもたちの心情を表していてすばらしいのひとこと。
個人的に好きな場面は見開きのお昼ご飯の光景を描いた場面。
大好きなぬいぐるみを側に置いて食べる子。
水筒を取りに行く子。
バケツのザリガニをのぞき込む子。
それを、不安げに見つめている子。
美味しそうにご飯を食べる子。
そして、ザリガニをめぐるやりとり。
こういったやりとりをきちんと文字にしてくれる大人は本当は
多くないように思います。
子どもたちは最初は自分の考えを口にするものです。
それから時間をかけて、例え喧嘩になっても、気まずくなっても、
「本当はどうすればいいか」答えを出していく力があると思っています。
絵本の中で「先生」は、もめていた2人それぞれに声をかけます。
強制ではありません。それぞれの気持ちを確かめるだけ。
すぐに「(2人が決めた通りに)そうしよう!」とお話は進みます。
今、子どもたちの環境はずいぶんコンパクトになってしまったなぁと思っています。大人からの過干渉で、すぐに「ごめんね」を言わなきゃいけなかったり、自分の考えを通す猶予すら与えられていないように感じます。
時代も、環境も変化して致し方なしですが、子どもたちが大人になるまでのエネルギーは何も変わっていないのに・・・。
私も微力ながら子どもたちと関わることをライフワークにしています。
子どもたちに何ができるのか・・・大人たちに何を伝えていくか・・・迷わず進んでいけそうです。
あいこ先生、ありがとう!!
さっそく読み聞かせに使わせて頂きます!!