笛吹山のおじいちゃんとおばあちゃんのおうちにゆく夏。
なっちゃんたち一家や親せきがおおぜい集まる田舎の大きな家。
旧家のお盆の様子が、丁寧にえがかれています。
この作家さん独特の味わいですね。
最初っから、ナメクジのおじいちゃんのほら話に魅了されます。
本当か、ホラかわからない、でも子供にとって魅力的なお話。
おおばあちゃんの話の時には、戦争の話もあって、
当時のお母さんの哀しみが描かれています。
なっちゃんが、盆踊りの夜に出会ったのは、戦争で亡くなったおじいちゃんのおにいさん。
(このお話のことは、最後に作者さんが特別に書かれています)
浴衣、盆踊り、縁日など夏の楽しい行事と一緒に、
切ない魂のおはなしが心に沁みます。
お盆の本当の意味を再認識するお話でした。