目の見えないマチアスと迷子の少女カーラが出会って少女を家まで送り届けるというお話を通して、全盲の方がどのようにして道を横断したり公共物を利用したりして生活されているかが紹介されています。
少女は自分の素直な気持ちをマチアスにぶつけます。
「どうして目がよく見えないの?」
この単刀直入な質問にマチアスは「生まれたときから」と優しく答えます。このようにして誰もが気になる質問にマチアスが答えてくれながらお話が進んでいきます。
目が見えないからこそ身体のあらゆる部分を使って状況を感じ取るのですね。知らないことばかりで非常に新鮮でした。
ネットカフェやインターネットが出て来たりと時代に即した内容です。仮名も振ってあり読み聞かせにはちょうどよい長さになっています。力が入っていなくて自然なままにお話されているので親しみを感じました。ここに作者の願いが込められているのでしょう。