おとぎばなしの中でも『いっすんぼうし』は、『ももたろう』など
とは違って、内容をあんまり覚えていなかった物語でした。
「小さな人が打ち出の小槌で最後には大きくなる」のは覚えていた
のですが、「どうやって登場したのだっけ?」と。
おばあさんの親指からうまれてきたのですね。
それで、一寸。
一寸という単位もよくわからなかったので、調べてしまいました。
3センチくらいか〜。私の親指は長いので、この指から誰か
産まれたら、いっすんぼうしというキリのいい名前はつけられないなあ。
いっすんぼうしが、おばあさんにもらった針を腰に差し、おわんを
ふねに、はしをかいにしてこぎだすさまは、『床下の小人たち』にも
通ずる小さい人のかわいい暮らしが感じられていいなあと思いました。
石崎洋司さんによるあとがきを見ると『ももたろう』や『はなさかじい
さん』の白い犬などと通ずる「小さ子信仰」を背景にしているそうで
(小さくて力は弱いながらも、霊力をもった存在が、中が空洞のものに
入って流れて来る)、奥深いなあ、考えてみれば『御伽草子』に
収録されている古典なのだものなあとしみじみ思いました。
御伽草子について調べてみると、このいっすんぼうしは、絵本の
中の世界と違って、かなり「ワル」みたいですね(笑)。
こちらも私はとっても読んでみたくなってしまいましたが、
娘にはしばらくこのことは内緒にしておこうと思います。
かわいらしいいっすんぼうしのイメージがなくなっちゃったら
ちょっと残念だから。
一寸法師が打出の小槌でぐいぐい大きくなる様は、私にとっては
ワンダーでおもしろいなあとずうっと思っていたのですが(たとえ
物語の内容は忘れてしまっていても)、娘は特に今のところ
そう感じることもなく、いたって普通にしていました。そんな
ところも不思議なのですが(笑)、きっと、いろんなものが大きさを
かえたり、形をかえたりすることは、今の年頃の娘にとっては
普通のことで、不思議でもなんでもないのだろうなあ・・娘が
ちょっと羨ましいです。
おはなしもうひとつの『したきりすずめ』もかなり残酷なお話で、
私は昔話のこういった残酷さが「格好つけてなくて」好きだったり
します。「世の中の悪」に対して憤慨しがちな娘はおばあさんの
ことを怒るかな?と思いながら読んだのですが、これまた普通に
していました。こちらは、すずめに「舌」があってそれが切られたら
痛いだろう・・ということがちょっと想像できなかったのかな?
むしろ、おばあさんがあけたつづらから出てきたへびやくもなどを
とても嫌がっていました。まさか、おばあさんと一緒で大きな
つづらがいいと思っていたのかっ?(笑)