いずみが森の天ぷら屋さんが火事で焼けてしまった。パン屋の子ども達と友達たちが復興を手伝う話。
焼け太りの話。
と言ったら身もふたもないが、一度、大きな災難にあっても、それまでの行いが良かったからか、周囲の人に助けられ、復活を遂げ、更に発展していくめでたいお話。周りの人たちはいろいろに協力してくれるが、店を再建する作業も、家業の天ぷら屋の修行もなんだか楽しそう。
人の役に立つことが嬉しい。そんな素敵ないずみが森の皆さん。
天ぷら屋の修行中は、読者も揚げ物のイロハがわかる。細かいこと(分量など)は書いていないが、野菜の唐揚げ(素揚げ)、野菜の天ぷら、エビの天ぷらとフライ。衣の中で野菜に火が通る様子を上手に説明するあたりは、大人も納得。
筆者はこの絵本を作るために、しっかり揚げ物のことを調べた様子がうかがえる。筆者の真面目で真摯な態度と、おちゃめなユーモアがたくさん織り込まれた、大変めでたい本。
これを読むと、何があっても大丈夫な気がしてくる。