不思議な読後感のお話でした。
内表紙からストーリーが始まっています。
地中のもぐらの家の上では、りすがキツネにびっくりして木の実を落として逃げていきます。
その木の実が、もぐらの家の上に根を張り、成長していきます。
一方、もぐらは、テレビで見聞きしたバイオリンに夢中になり、
楽器を注文して練習し始めるのです。
もちろん、難しい楽器ですから、何度も何度も練習して。
うまくなればなるほど、夢は膨らみます。
地上でも同時進行で出来事が起こっています。
これは夢でしょうか、現実でしょうか。
とても深い示唆を含んでいるように思います。
静かな淡々としたストーリーですが、音楽の持つ可能性が伝わってくるようでした。