【内容】
カンボジアの首都プノンペンの郊外の村で暮らす家族。スレイダーは三人姉妹の真ん中。家は1階で食料品の売店を営んでいる。小学校に通う少女の様子を、美しい写真で紹介する。
【感想】
2012年〜2013年ごろに撮影されたと思われるカンボジアの農村の風景は、緑がしたたるような圧倒的な自然の豊かさ。人々は一生懸命に働いても貧しいままなのに、とびきりの笑顔で写っている。子どもたちは写真撮影に興奮して、ワイワイ楽しく集まって来ている。みんなのおしゃべりが聞こえてきそう。
印象に残ったのは、小学校の様子。ほとんどの子は制服が買えないから、学校のルールに従った格好で登校している。上は白いシャツ、下は女子は紺のスカート、男子は紺のズボン。多少ワンポイントが入ったり、袖や襟の形がまちまちだったり、色も濃い紺から青に近い色まで様々だけど、遠くから見るとそれなりにまとまっているように見える。
自分が子どものころ、友達でとても貧しい家の子がいた。兄弟が多かったから、体操着を使いまわしていて、おさがりのおさがりを着ていた。色が褪せて、つぎが当たっていて、毛玉が出て、いかにも貧乏な感じだった。日本でも決して、みんなが学校が決めた制服を買えているわけではなくて、結構、無理して買っていたり、卒業した親戚などからもらったりしてどうにかしている家庭もある。
この絵本を眺めて、カンボジアの学校みたいに、色と形だけ決まっていたら、家にある服を工夫して使えるから負担が少なくていいと思った。
制服も、暮らしも、おおらかで、貧しくても、楽しく明るくやっているカンボジアの人たちの様子に癒されました。大事な事を教わったと思う。