王さまがアニメ化されているのを知り、
ガチャガチャ玩具になっているのもみて
王さまファンが世間にたくさんいるのを今更のように知りました。
その上、新刊で、いまなお絵本化もされているなんて。
なんだなんだ、王さまってすごいんだなあ。
自分が小さなころ何度も読んだ王さまシリーズ。
今やこんなに本やDVD、グッズなどが展開していて。
あのころの私が手にできていれば・・・
かなわないことですが、
そう思えるほどに熱をあげて読んでいたシリーズでした。
本作は、中でも大好きなお話の絵本化です。
王さまはいばりんぼで不勉強でおっちょこちょい、
そんな王さまがレストラン?!
そもそも料理なんて・・・ダメなのは見え見えなのです。
お城のみんなに料理のまずさに逃げられた王さま。
突然、つぎつぎと冷蔵庫からでて来る珍妙なお客に、無理な注文、
王さまだけでなく読者も不思議さに包まれるストーリー。
バラのサラダや動物のお客さま。
ひとつひとつは幻想的なのに、
みんながそろって起こす展開はダイナミック!
へびカツとか!
王さま食べちゃうわよのうさぎの催促に、ドキドキの展開なのです。
和歌山静子さんの絵は黒い太い線、くっきりしていて独特です。
王さまといえば、この絵しか考えられません。
挿絵が少ない本でも、読んでいる時は
自分の頭の中であのテイストの王さまたちが、実演してくれていた気がします。
だからこのお話の絵本化は、こたえ合わせのようでもありました。
このお話といえばへびカツ!
工程ごとに絵付きだったのが嬉しかったです。
欲を言えば、漫画のコマみたいに、どの場面、どの行にも絵があっても良かった。
テーブルにお客、王さまだけのシンプルな絵、
これが多かったのは、もったいないのです。
ぽきぽきスパゲティなどの料理、冷蔵庫の絵がないなんて!
自分の中の王さまが、そう申しておりました。
昔からの読者と新しい読者と
同時に満足させるように描くのはきっと大変でしょうね。
ファンとして、和歌山さんにとってのうさぎ(危険なお客)にならないように、
注文は少なめにしたいです。
王さまシリーズ絵本化、これからもたくさん、お願いいたします。