グリム童話とありますが、知らない話だったので読んでみました。
フェリクス・ホフマンの絵が、童話の世界観を伝えてくれます。
一人の若者が兵役につきますが、戦争が終わり、お役御免になるのです。
途方に暮れたところ、悪魔である不思議な男に出会うのです。
そして、お金持ちになる代わりに、7年間、クマの皮を脱いではならない、
しかも、髪の毛やひげ、つめも手入れせず、伸ばし放題という契約を受け入れるのです。
風貌は予想通りで、すごいのですが、くまおとこになった若者は、
楽にお金を手に入れられることにおごらず、善行を行います。
後半は、見かけによらない、純真な心を見抜いた娘の姿がいとおしいです。
ずっと待ち続けた健気さを素敵でした。
そんな愛の形が浮き彫りになる構成も、グリム童話ならではですね。