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どんなにきみがすきだかあててごらん(評論社)

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夏の雨

パパ・60代・埼玉県

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夏の雨さんの声

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自信を持っておすすめしたい みんなの感想文  投稿日:2015/07/26
クレヨンからのおねがい!
クレヨンからのおねがい! 文: ドリュー・デイウォルト
絵: オリヴァー・ジェファーズ
訳: 木坂 涼

出版社: ほるぷ出版
 この本を読みおわって、1学期の時につかっていたクレヨンを見てみました。
 白いクレヨンはほとんどへっていませんでした。ぼくは、ケビンのように「ゆきのなかのしろねこ」とかかかないので。
 一ばんへっていたのは、青いクレヨンでした。どうしてかというと5月のれん休がおわったあとでおとうさんとおかあさんと弟でいった海のえをかいたからです。
 このとき、ぼくはたいようを赤いクレヨンでかきました。だから、黄いろのクレヨンとだいだいいろのクレヨンがけんかをしているのは、おかしいとおもいます。

 この本はクレヨンからケビンにあてた手がみでできています。
 たくさんのクレヨンがケビンにもんくをいったり、感しゃをいったりしています。
 わたしはそんなケビンがうらやましくなりました。だって、手がみをくれるのは、なかよしだからだとおもうからです。
 わたしもなかよしのきみちゃんにはてがみをかきます。でも、男子にはかきません。
 こんど、たくさんのクレヨンできみちゃんにでがみをかこうとおもいます。

 ぼくはえがにがてです。
 クレヨンも、だからあまりつかったことがありません。せんせいはなんでもいいからかきましょうといいますが、なにをかけばいいのかわかりません。
 だから、ケビンというこどもがすごいとおもいます。こんなにいっぱいクレヨンをつかっているのですから。
 ぬりえみたいなものもありました。ぼくもぬりえならできそうです。
 かいじゅうのぬりえがいいです。

 この本を読んで感想文を書いてくれて、先生、とってもうれしいな。
 この本にはたくさんの色のクレヨンが出てくるでしょう。それって、クラスのお友達みたいだと思わない?
 黒いクレヨンは、あの子みたいだし、ピンクのクレヨンはかわいいあの子みたいだし。いつもケンカばかりしているあの子とあの子は黄いろのクレヨンとだいだいいろのクレヨンみたいだし。
 たくさんの色があるから楽しいのだと思います。だって、最後のケビンがかいた絵はとってもよかったでしょ。
 みんなの色を大切にしてくださいね。
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自信を持っておすすめしたい しあさっての次はなんていうの?  投稿日:2015/07/21
あした あさって しあさって
あした あさって しあさって 作: もりやま みやこ
絵: はた こうしろう

出版社: 小峰書店
 夏休みといえば、読書感想文。読書感想文と聞くだけで嫌な気持ちになる人も多いかもしれません。それでも宿題だからと嫌々暑い日々を過ごしたそんな気分が読書嫌いを生みだすのだとしたら、本当に読書感想文は必要なのでしょうか。
 青少年読書感想文コンクールも今年で61回。戦後間もなく青少年の育成のために作られたのでしょう。嫌な思い出の人もいれば、これをきっかけに本好きになった人も多いはず。
 感想文はともかくとして、課題図書で推薦されて一冊が本の世界を広げてくれたら、どんなにいいでしょう。

 もりやまみやこさんのこの本は今年の小学校低学年向きの課題図書の一冊です。
 はたこうしろうさんのかわいい絵がついて、絵本から少し字数の多い本で移行する子どもたちにも読みやすい本。
 しかも、「あした あさって しあさって」という日にちの数え方も自然と覚えることができるようになっています。
 遠くの町で仕事をしているおとうさんの帰りを待っているくまの子の話。
 くまの子はおかあさんに「おとうさんはいつかえってくるの」と聞きます。おかあさんは、「しあさって」って答えます。くまの子は「しあさって」がわかりません。だから、「しあさってって、いつ」と聞きます。
 おかあさんは「あさってのつぎのひ」と教えてくれます。
 そして、ちゃんとカレンダーでいつが「しあさって」なのかをくまの子に教えます。
 あしたはわかっても、「あさって」も「しあさって」もわかりにくい言葉です。くまの子のおかあさんのように、カレンダーの数字で示すと、わかりやすいものです。

 くまの子はおとうさんが帰ってくるのが楽しみで仕方がありました。次の日になれば、「しあさって」は「あさって」になり、またその次の日は「あした」になる。
 くまの子はそうやって日にちの数え方を学んでいきます。
 子どもたちはこの本で時間のことを少しは勉強します。「夏休みなんてあっという間よ」とけしかける前に、「しあさって」までに感想文を書こうね、なんていうのも、いいかも。
 「しあさっての次はなんていうの?」なんて聞かれたら、困りますが。
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自信を持っておすすめしたい 「トマト太郎」にはなりません  投稿日:2015/07/19
トマトさん
トマトさん 作: 田中 清代
出版社: 福音館書店
 表紙の絵を見て、泣き出す子もいるかもしれません。
 その一方で、かわいいと頬ずりする子もいるかもしれません。
 それほどインパクトのある表紙。大玉トマトの「トマトさん」の顔がデーン。ぜひ、裏表紙も見て欲しいのですが、「トマトさん」の後頭部が、こちらもデーン。しかも、真っ赤。
 これだけ見れば、この絵本がトマト、そしてこれは大玉トマトです、の物語だってわかります。しかも、タイトルが「トマトさん」。
 大玉トマトの「トマトさん」にどんなことが起こるのでしょう。

 ある夏の昼下り、真っ赤に熟れたトマトさんが枝から落ちてしまいます。トマトと結構簡単に枝から落ちてしまいます。ミニトマトをもぐのも、指でチョチョイとすれば、ポトリととれます。
 そんな具合に「トマトさん」は枝から離れたのですね。
 「トマトさん」の耳に小川の音が聞こえてきます。しかも、その小川にミニトマトたちがころころ転がって、飛び込んでいます
 何度もいいますが、本当にミニトマトは枝からポトリと落ちやすいのです。
 ところが、大玉トマトはそういうわけにはいきません。
 ミニトマトにようにころころ転がって小川で泳ぎたいのに、転がれないのです。

 そこで、みんなで「トマトさん」を転がそうと虫たちが集まってきました。
 ここから、虫たちの懸命な努力が始まるのですが、読み方次第では落ちた大玉トマトを食べようと虫たちが集まってきたみたいに見えてしまうのです。
 それというのも、「トマトさん」の表情がなんだか熟し過ぎて、虫たちに狙われそうなんですもの。
 ここでは虫たちはみんないい子。小川で泳ぎたい「トマトさん」のために、皆で力を合わせます。
 そして、ついに「じゃっぷーん!」。

 熟し過ぎたトマトも冷たい水で冷やしたら、きっとおいしくなるのでしょうね。
 結局、「トマトさん」はひと泳ぎして、河原にあがることになります。
 本当は「トマトさん」に川をどんぶらこどんぶらこって流れて欲しかったな。
 おばあさんに見つけられて、そこから生まれたのが「トマト太郎」なんてなれば、また別の話になってしまいます。
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自信を持っておすすめしたい ハヤシどころか、たくさんあるデヨ  投稿日:2015/07/12
名古屋うみゃあもんのうた
名古屋うみゃあもんのうた 作: 長谷川 義史
出版社: 佼成出版社
 「ハヤシもあるデヨ」。
 昭和のコメディアン南利明さんがCMで使って、1970年代に大流行した名古屋弁だ。
 その頃の子どもたちは、北海道であろうと東北であろうと東京であろうと大阪であろうと四国、九州、沖縄であろうと、みんな名古屋弁で話していた。
 それから半世紀近く経って、今や名古屋は全国区。
 名古屋には「うみゃあもん」がたくさんあることは、みんな知っている。
 「ハヤシ」どころか、「キシメンもあるデヨ」、「ういろもあるデヨ」、「小倉トーストもあるデヨ」と、「デヨ」のオンパレード。
 この絵本を開いて、あなたも言ってみて下さい。「○○もあるデヨ」。

 長谷川義史さんの絵は名古屋の豪快さによく合っている。
 名古屋城のでっかい金のシャチホコにも負けてはいない。
 「みそカツ」「みそオデン」「みそ煮込み」の、みそ三兄弟とタッグも組んでいる。
 信長、秀吉、家康も、長谷川さんにかかれば、名古屋人の皆さんと同じ。
 それくらい、名古屋らしい絵本だ。

 大阪に代表される関西人は東京に暮らそうが東北で暮らそうが、大阪弁にこだわりつづけている。
 名古屋の人はどうなんだろう。
 東京と大阪という大都市に挟まれて、肩身のせまい思いをしてるかと思いきや、まったく意に介さずに独自の文化を作り上げたような気がする。
 特にこの絵本に描かれている食文化においては顕著だ。
 東京にも大阪にもおいしいものはたくさんあるが、それに影響されることもなく、我が道をゆく。
 名古屋の人たちにとって、東京も大阪も眼中にはない。
 あるとしたら、「東京も(ついでに)あるデヨ」「大阪も(ついでに)あるデヨ」ぐらいの感覚だろう。

 もっとも大阪出身の長谷川さんにとっては、なんとか大阪文化をしのばせたいと思ったのか、大阪を代表して「なんでやねん」をこそっといれているのが、面白い。
 そんな長谷川さんであっても、名古屋の人たちは、「ようこそいりゃーた ゆっくりしてってちょ」と暖かく迎えてくれたのだろう。
 長谷川さんの満腹顔が目に浮かぶ。
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自信を持っておすすめしたい あなたは風だったかもしれない  投稿日:2015/06/25
吉野弘詩集
吉野弘詩集 著: 吉野弘
出版社: 角川春樹事務所
 遠い昔、中原中也が好きだった。
 「中原中也の詩だろう」と問われれば、「いや、中原中也その人が」と答えたい。
 巷間に知られた恥じらったような美少年の写真といい、長谷川泰子という女性を小林秀雄ととりあったことといい、若くして亡くなったことといい、中也そのものが詩であるような気がする。
 まさに「汚れつちまつた悲しみに」だ。
 中也そのものがある意味詩人の典型のように思っていた。
 それからたくさんの水が橋の下を流れ、中也が亡くなった年齢もとっくに越してしまって、どうもそうではないのではないかと気づいた。
 詩人であれ、まっとうな社会人であり、家庭人たりうる。
 そんな詩人の一人は、吉野弘であることは間違いない。

 吉野弘といえば、「祝婚歌」といわれるほど有名な詩がある。あるいは教科書にも載った「夕焼け」という詩も広く知られている。
 この詩集にはそういう代表作も収録されているが、吉野弘の単独詩集であるから、目にしたこともない詩も多いだろう。
 例えば、私は「生命は/自分自身だけでは完結できないように/つくられているらしい」という節で始まる、「生命は」という詩が気にいった。
 その詩の最後はこうだ。「私も あるとき/誰かのための虻だったろう//あなたも あるとき/私のための風だったかもしれない」、そんな虻と風が出会って、「愚かでいるほうがいい/立派すぎないほうがいい」という「祝婚歌」の世界につながっていくのだろう。

 もうひとつ、この詩集の特長でいえば、言葉遊びの詩が数多く収録されていることだ。
 言葉遊びといえば谷川俊太郎が数々の詩を発表しているが、吉野弘も負けてはいない。
 気に入ったのは、「主婦」という詩。「婦」という言葉を分解して、「主(おも)に帚(ほうき)を使う女」と読めることに詩人はそうではないと異議を申し立てる。「主(あるじ)に帚(ほうき)を使う女」。
 詩人の目の鋭さと文字に対するセンスの良さを感じないだろうか。

 吉野弘に「「汚れつちまつた悲しみ」は隠されているが、もっともっと読まれるべき詩人だ。
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自信を持っておすすめしたい 忘れ物を届けにきました  投稿日:2015/06/18
きょうはなんのひ?
きょうはなんのひ? 作: 瀬田 貞二
絵: 林 明子

出版社: 福音館書店
 表紙を開いて、最初のページの女の子の表情が最高にいい。
 赤いランドセルをしょって、これから学校に行こうとしているまみこちゃんは小学一年生ぐらいでしょうか。彼女が両親のためにしかけたかわいいいたずらが、そしてそれはとっても素敵な贈り物でもあるのですが、楽しくて仕方がない、そんな笑顔です。
 このページを見たときに、私の娘たちが小さかった頃のことがパアーッとひろがりました。私の娘たちも、まみこちゃんのように、輝く笑顔をたくさんくれました。

 親として、子どものそんな笑顔にどれだけ救われたことでしょう。娘たちが成長して、いつのまにか、そんな素敵なことも忘れているなんて。
 子どもは生まれてから数年間で親孝行のすべてをしてしまう、そんな話を聞いたことがあります。赤ん坊の頃のちいさな手、笑顔、泣き声、そのすべてが愛しかった。小学生にはいった頃の走りまわる姿もかわいかった。
 成長して生意気になって親に反抗したりしたりすねてみたりしたけれど、それまでにいっぱい幸せをもらっていたことを忘れていたのは、こちらです。
 ごめんね。

 この絵本は1979年に刊行された、もう30年以上前の本です。
 描かれているまみこちゃんのお家のようすはすこし時代を感じますが、まみこちゃん家族の幸福は今でもあります。ただみんながそのことを忘れているだけ。
 もしかして、この絵本はそんな大切な忘れ物を届けてくれたのかもしれません。
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自信を持っておすすめしたい 今度は「バルタン星人」  投稿日:2015/06/16
帰ってきたおとうさんはウルトラマン
帰ってきたおとうさんはウルトラマン 作・絵: みやにし たつや
出版社: Gakken
 「バルタン星人」は、初代「ウルトラマン」シリーズの第二話に登場し、数多いウルトラ怪獣のなかでも絶大な人気をほこっている宇宙人だ。
 「ふおっふおっふおっ」という独特な鳴き声? とセミの顔を模したユニークな頭と体とのバランスのすこぶる悪い巨大なハサミをもった「バルタン星人」の、何が子供たちに受けたのかよくわからないが、私も子供の頃に「「ふおっふおっふおっ」と鳴いたものだ。
 「バルタン星人」自身は地球征服をねらったものではなく、地球に移住しようとしただけだが、その人口は20億以上ということで、仕方なく「ウルトラマン」はそれを阻止、戦うことになる。

 つまり、「バルタン星人」は極めて多産星人なのだ。そこに目をつけたのか、みやにしたつやさんの「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」は、「ウルトラマン」父さんの奮闘だけでなく、「バルタン星人」父さんの切ないおとうさんぶりの、二本立てである。
 怪獣と闘い、時にはおちこむ「ウルトラマン」父さんは子供の顔を見たら明日への活力がみなぎるのだが、「バルタン星人」父さんはおちこんで家に帰る途中にお酒を飲んで憂さ晴らし。そんなだらしない「バルタン星人」父さんだが、子供の前では見栄坊だったりする。

 「バルタン星人」父さんは、「ウルトラマン」父さんよりももっと人間らしい。きっと作者のみやにしさんは「バルタン星人」が大好きだったのだろう。そう、みやにしさんも「ふおっふおっふおっ」と鳴いたにちがいない。
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自信を持っておすすめしたい アンヌ隊員に愛をこめて  投稿日:2015/06/15
パパはウルトラセブン
パパはウルトラセブン 作・絵: みやにし たつや
出版社: Gakken
 「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」のどちらが好きかと聞かれたら、ためらうことなく「ウルトラセブン」と答えます。
 アンヌ隊員の魅力にとりこになる年齢ではなかったですが、「ウルトラセブン」のTV放映は1967年(昭和42年)で、私も中学生になっていました。
 どちらかといえば「セブン」の哀愁ただよう雰囲気がそろそろわかる年齢に近づいていたともいえますし、まだまだウルトラアイ装着の変身シーンが単にかっこよかっただけだったかもしれません。

 そんな「ウルトラセブン」でも、家に帰ればかわいい女の子が待っているとしたら、どんな父親だったでしょう。
 そのような奇抜な発想で描かれたのが、みやにしたつやさんの『パパはウルトラセブン』という絵本です。作者でわかるように、『おとうさんはウルトラマン』のシリーズの一冊です。
 「ウルトラマン」の時は男の子で「おとうさん」、「ウルトラセブン」は女の子で「パパ」。二人? の感じをよくとらえています。

 この「ウルトラセブン」は、娘の教育問題でお母さんと争ったり、怪獣から嫌われても平気なのに娘に嫌われると落ち込んだりします。ときどきとおくをみつめて悩んだりしても「ウルトラセブン」はたたかいつづけます。愛しい娘のため、妻のため、家族のため。
 やっぱり「ウルトラセブン」はか絵本になってもかっこいいし、どこか切ない。
 思わず、「セブン、セブン、セブン」って唄ってしまいました。
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自信を持っておすすめしたい キャベツの丸かじり  投稿日:2015/06/14
キャベツがたべたいのです
キャベツがたべたいのです 著: シゲタ サヤカ
出版社: 教育画劇
 大阪・新世界の名物といえば、二度漬け禁止の串カツですが、実は串カツのそばにデーンとあるキャベツがおいしいのは、知る人ぞ知るなのです。
 そう、キャベツは生のまま、ざくざくで食するのが一番。
 ということは、キャベツの葉を「シャッキリ ムシャ ムシャ」と食べる青虫を同じということになります。
 俺は、青虫か。
 そうめげないで下さい。いずれ可憐な蝶々になるのですから。

 この絵本、不思議な話なんです。
 花の蜜をおいしそうに吸う蝶々たちをみて、「あんなもの、うまいはずがない」と怒っている別の蝶々たちがいます。
 この蝶たちは、幼い頃に食べたキャベツの味が忘れられないはぐれもの。
 幼い頃のおいしい記憶が成人しても忘れられないってこと、ありますよね。
 彼らがエラいのは、その記憶をたどって行動を起こしたことです。
 一軒のやおやに行って、キャベツを食べようとするのです。

 ところが、残念ながら、今は蝶になっていますからキャベツを齧れない。
 人間でいえば、赤ちゃんの時に吸えたおかあさんのお乳が大人になったら吸えないのと似ています。
 ちがうかな。
 そこで、やさしいやおやのおじさんがそんな蝶たちのために不思議なジュースをこしらえてくれます。
 ジュースなら、蝶たちも吸えます。
 と、どうでしょう。「ボワン!」と、蝶たちはやおやのおじさんに変身してしまうのです。
 人間に変身してしまえば、キャベツは食べれます。二度漬け禁止の串カツは食べなくても、キャベツは食べれます。
 それで元蝶のやおやのおじさんたちは、一生懸命に働いて、本当のやおやのおじさんを助けるのです。
 えらいな、元蝶たち。
 それをうらやましそうに見ていたのが、花の蜜を吸っていた他の蝶たち。
 やっぱりキャベツの味が恋しくて、やおやのおじさんのところにやってくるのです。
 そして、また「ボワン!」と特製ジュースでやおやのおじさんに変身して、キャベツを食べます。
 絵本の中に、やおやのおじさんがいっぱい。
 ちょっとホラーっぽい。

 そんな不思議な感覚の絵本を読みながら、大阪・新世界の名物二度漬け禁止の串カツのそばでデーンと山積みされたキャベツのことを思っています。
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自信を持っておすすめしたい おとうさんだってウルトラマン  投稿日:2015/06/13
おとうさんはウルトラマン
おとうさんはウルトラマン 作・絵: みやにし たつや
出版社: Gakken
 「ウルトラマン」のTV放映が始まったのは昭和41年(1966年)、私が11歳の時です。ちなみに本作の作者みやにしたつやさんは1956年生まれですから、ほとんど同世代にあたります。
 TV放映が始まると全国のたくさんの子どもたちが熱狂しました。すぐに怪獣のことなら何でも知っている怪獣博士がクラスのなかに誕生します。いまでいう、怪獣オタクのようなものです。
 当時はそんな怪獣博士がクラスの人気者でした。
 「ウルトラマン」だけでなく、出現しては倒されていく怪獣たちの体重や身長、強力な武器などを諳んじて、同級生たちをびっくりさせてくれました。彼は時に詳しい怪獣の絵もかいてくれました。この本の表紙絵を見ながら、なつかしさがひたひたと心にしみてきました。
 私たちはそういう世代です。

 そんな私たちもおとなになって、結婚して、子どもが生まれます。そして、ふっと、「ウルトラマン」には子どもがいたのだろうかと想像します。
 どんな怪獣にも無敵の「ウルトラマン」でも、「めちゃくちゃ よわい あいても いる」らしい。それが、こどもです。とっても強い「ウルトラマン」ですが、息子の描いた自分の似顔絵にしんみりしたり、怪獣をやっつけるのにキズがたえなくても「こどもの けがには めっぽう よわ」かったりします。
そんな自分によく似た「ウルトラマン」にしんみりします。
 きっと怪獣博士だって、想像できなかったでしょう。

 子どもが読むよりも先にお父さんが独りじめしたくなるような絵本です。
 そして、読み終わったあと、きっと子どもにしているにちがいありません。
 シュワッチ、って。
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