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はたらか猿
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投稿日:2008/09/28 |
最近何かと怒りっぽい息子に“怒る”“すねる”という子供の表現が出てくる絵本を一緒に読みたいと思っていたところ、思わぬところからこの絵本に出会えました。
舞台は小学校(1年生)の教室なので、保育園年中の息子には少し早いかなとも思いましたが、横で聞いていて時折笑っては食い付いてきましたので、全然問題ありませんでした。
息子のツボは、先生が発したことわざを聞いた子供たちが、勘違いして想像してしまったナマケモノが突然出てくるところ。突如現れたサルや、先生がこけたという表現に、思わず笑ってしまい楽しんで聞いているようでした。
特に息子に聞いて面白かった場面は、おたのしみ会という特別な授業で、アイスクリームを作ることになって大はしゃぎするクラスのムードメーカーのげんちゃんが、自分の思うようにはいかなくて、わいわい楽しそうにアイスクリーム作りをするみんなとは離れて、一人“すねて”ぽつねんと石になっているところへ、「どうしたの?」と声を掛ける先生の手を払いのけたところでは緊張感が走りますが、できあがったアイスクリームを先生がげんちゃんの口に持っていく場面で、息子に「これで機嫌直るかなぁ?」と聞くと、即座に「う〜んうん」と横に首を振ってダメと言ったとおり、げんちゃんの機嫌はこれでは直りませんでした。最近よく怒ったりすねたりすることの多い息子には、きっと自分のことのようにげんちゃんの気持ちがわかるのでしょう。
どうやってげんちゃんが機嫌を直したかは是非読んでみて欲しいのですが、担任の先生が子供たちに真正面からぶつかって誤解を解いていくところを見るとも、親としての自分はどうだろうかと反省もしてしまいました。
もっともっと息子の気持ちに近づけるように、“怒る”や“すねる”を題材にした作品を一緒に読んでいきたいと思います。
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寝る前の読み聞かせにぴったり
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投稿日:2008/09/19 |
息子がここ3日間続けて寝る前に選んだ絵本です。
でもまだ1回も最後まで読み切っていません。というのも、必ず途中で眠ってしまうからです。すごい睡眠効果があるのでしょうか?
タイトルにあるように、ある宇宙船がどこからか飛んで来て、地球のどこかに到着する前半部分が終わり、くるっと絵本をひっくり返すと、また違う者が、今度は地球からどこかの星をめざすとい後半のお話しにうまく流れていき、二度楽しめる美味しい絵本になっています。
あとがきで作家の佐藤さとるさんが“楽しい絵本になるはず”という期待を持った本作に合う絵を、待ちに待ってずっと眠らせていたと書いています。やっと出会えたストーリーと絵は、お互いを引き立てあっていてとてもマッチしていると思います。
静止しているようにも見える絵が、佐藤さとるさんの文書を聞いた途端、方向性を得て宇宙空間をものすごいスピードで動き出すような錯覚に陥るのは、他の絵本では感じられない面白い感覚です。
また、優しさを感じる絵と、常に柔らかい語り口調で綴られる文書が、聞く者にとても心地よく響いて、夢に世界に誘うのかもしれません。
初めて読んだ時は、“折り返し”の作りが面白いという捉え方だけでしたが、ここ3日間の“繰り返し”でこの作品の良さが再確認できました。
もし「気持ちよく眠りに入れる絵本」を集めるとすれば、この作品も入れていいじゃないかなと思います。
息子よ、今日もまた挑戦するのかい?それとも気持ちよく眠りに入る為にあえて選んでいるのかい?
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きっと毎日楽しいだろうなぁ
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投稿日:2008/09/19 |
えんふね?
タイトルだけではすぐイメージできませんでしたが、「なるほど、そういうことか!」とすぐに納得してしまいました。
一見して印象派的な大胆で明るい画風なんですが、よくよくみると緻密な書き込みもあって、きっと作者は“米粒に字が書ける人”なんだろうなぁと勝手に空想してしまいました。
空に浮かび上がった“えんふね”を、下から見上げるイモ虫との構図はとても面白いですし、眼下に広がる町の風景や、川面の水しぶきに、雲の白さの表現には思わず、「綺麗だなぁ」と呟いてしましました。
昆虫好きの息子にとっても、至るところに書き込まれた小動物を発見する楽しみもありました。気持ちよさそうな子供たちの表情からは、きっと毎日楽しいだろうなぁと想像できます。
初の絵本ということですが、是非2作目も期待しています。
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壁紙にしちゃいました
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投稿日:2008/09/07 |
最近息子が毎晩読んで〜と持ってくる本です。
昆虫好きの息子が最初にハマッたのはだんご虫でした。ごく身近にいてすぐ丸くなり愛嬌さえ感じる存在で、手始めの昆虫としてもってこいの存在です。
普段地べたを這っているだんご虫が空を飛びたいと想うのは、ヒトであっても同じ、永遠の夢だと思います。
背中につけたトンボの羽根を紐で引っ張ってバタバタ動かす器械的な仕掛けは、いつぞやの鳥人間コンテストを連想してニンマリしてしまいました。
また、ダンゴ虫が設計図を基に工作している画はとても可愛らしくて、思わず写真を撮ってパソコンの壁紙にしてしまいました。
息子と共にハマってしまい、シリーズの他の作品も読んでみたくなりました。
(ちなみに巻末に装丁を杉浦範茂さんが担当したとありました。この方は画家と共にブックデザインのお仕事もされているようです。その影響かわかりませんが、松岡達英さんの作品の中でこの画が一番私の中に入って来ました。)
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名作が元作、息子は傑作
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投稿日:2008/09/06 |
1962年発行で2008年で92刷となる有名作品ですが、初めて読む機会を得ました。
きっかけは、たかどのほうこさんの“つんつくせんせいとつんつまえんのくま”を読んだところ、この絵本になぞらえていると知り、元作を読みたいと思ったからです。
(92刷にあたり版を新しくし、原作を撮影したフィルムを使用したとあり、全体的に暗い色使いのわりにすごく明るく綺麗な印象を受けました。)
ロシア民話であり、登場するクマの名前はミハイル・イワノビッチやナスターシャ・ペシローブナにミシュートカと、長くて発音しにくい名前の上に、落語の“じゅげむ”のように繰り返し出てくるので、3回目あたりで意味もなく笑えてきてしまいました。
息子は、3びきのクマの家に入り込んだ女の子が、ミシュートカのイスを壊してしまうところでツボに入ったようでゲラゲラ笑い出し、“つんつくせんせい”と一緒という見方をしていましたが(こちらが元だからねと説明して)、家の中の異変に気づいた3びきのクマが順番に「だれだ、わたしの…を……したのは!」と叫ぶあたりでは、抱腹絶倒し半ば呼吸困難の様相でした。
しかし最後の、女の子が追いかけられる場面は少し怖かったのか、身を半分隠して聞いていました。
そして“おいつけませんでした”という終わりでホッとした様子。
僕は、古典の作品に多い唐突な終り方が気になり、“めでたしめでたし”じゃ可笑しいけど、“はい、おしまい”とか“とっぴんぱらりのぷう”みたいなもので、ロシア的な終わりの挨拶が欲しかったかなと感じました。
内容的には短いお話しですが、何度読んでも読み飽きない感じが名作の所以なんだなとも感じました。
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“3びきのくま”が読みたくなります
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投稿日:2008/09/06 |
シリーズのものの“つんつくせんせい”が“つんつくえん”の15人で山の家に出かけるお話しです。
目指す山の家の近くには、見た目もそっくりな“つんくまえん”の山の家もありました。“つんくまえん”とはクマの保育園で、こちらも15匹のクマが山の家に向かっているという設定で、ややこしいことになりそうな予感がありありとします。
やっぱりヒトとクマも間違えてお互いの家の中に入ったり出たりします。
鉢合わせしたら大変だと、ハラハラドキドキして読むのがこの絵本の醍醐味ですが、いつも危機一髪のところですれ違い、事なきを得ます。本当はお互いの存在を知って動いているのでは、と思うような不自然なすれ違いは、挿絵の中にも描かれている、このお話しのベースになったロシア民話の“3びきのくま”の動きになぞらえているようです。
我が家ではまだ読んだことがない“3びきのくま”を早速読んで、また“つんくまえん”を読み直したところ、数倍にもこの絵本を楽しむことができました。
今まで絵本どうしを比較して読むということはありませんでしたが、こういう楽しみ方もいいなぁ、又こんな絵本に出会いたいなぁと思いました。
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カレーにはならないよね…
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投稿日:2008/08/15 |
「おさんぽさえこちゃん」のシリーズもので、絵がどこか日本人離れしていて、おばあちゃんちのインテリアや、街の風景も洋風の匂いが漂いながら、商店街は下町っぽかったりと不思議な要素がたくさんある伊東美貴さんは、今気になっている作家さんの一人です。
忘れっぽいおばあさんは、今晩のカレーライスの材料や他にいるものを紙にメモして、さえこちゃんと買い物に出かけます。
でも初めのお店まで来て、そのメモを忘れたことに気づきました。
さえこちゃんはあれが欲しい、これが欲しいと言いますが、「なんだかちがうなぁ」と思いながらも、思い出せないので次々と買い物をしていきます。
その様子を見た息子は、「ここではあれを買うんだよね」と指摘しては、戻ってメモの内容を確認するので、なかなか前に進みません。
また、この材料からするときっと晩ごはんのカレーは無理だろうなぁと思っていると、案の定、家に着いたおばあさんも、メモと見比べて全然違うものを買ってきたことに困惑していました。
でもそこは年の功、買った材料を見事に美味しそうな晩ごはんに変身させてしまうあたりは、あっぱれあっぱれです。メニューはおばあちゃんからすると、とっても洋風なんですね。実は舞台は日本ではないかも、でも金物屋さんは日本独特な店造りだしなぁ…まぁ、あまり深く考えないようにしよう。
それから最後のページに、さっきのレシピが載っているので、さっそく息子と一緒にメニューをリクエストしました。
また、ローソクを灯しての晩ごはんの様子を見て、どこまでも洋風な生活なんだなぁと思いきや、じきにその理由がわかって「なるほど、あれか!」と納得してしまいました。
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これぞ絵本
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投稿日:2008/08/14 |
1984年の作品にしてもなお懐かしさを感じるのは水野二郎さんの絵の印象でしょうか。
表紙の裏の前置きからさっそくストーリーは始まり、ぽんたお手製の自動販売機の様子を、折り込みページによって何だろうと期待したところへ、飛び出すような効果が効いていたりして、絵本の世界にとても入り込みやすいです。
また、お話し全体が善意に満ちていて、ぽんたも含めてすべての登場人物が幸せになるところは“これぞ絵本”という印象を持った一冊です。
僕は、大喜びするライオンのスキップのような仕草と、最後のオチというか、ウィットの効いた張り紙が好きですが、息子は、いつもぽんたを見守るように出てくるモグラや、遠くにいる次のお客さんを見つけては喜んでいました。もちろん、何でも願いを叶えてくれる自動販売機が欲しいと思ったことでしょう。
たぬきの魔法だからみんな解けてしまうのかなと思いきや、ぽんたとぽんこの友達関係は本物なんだと気づいて、なんだかほっこりとした気分で読み終えることができました。
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幸せとは何か。
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投稿日:2008/08/12 |
今でこそ空を飛んだりするSF映画は珍しくないですが、1971年にそんな作品を作ってしまう大川悦生さんはすごいです。
画が赤羽末吉さんで、“おなら”のお話しなら息子が興味を持つと思い選んだのですが、結局は僕が楽しんでしまいました。
とても心に残る作品に出会えてよかったとしみじみと思います。
じっさまの生涯を書き切った作品ですが、じっさまの人生を手放しに良かったと喜び、賞賛できるお話しではないと思います。
読んだ後に「幸せとは何か」を考えさせられる意外と深い童話だと思います。
人並みならぬ“でっかい屁をこく”特技を持ったじっさまは、昔の狭い村には収まりきらない器でしたが、人並みに嫁をもらい幸せに暮らしておりました。しかし突然の不幸を機に、江戸へ出る決心をします。
大都会江戸には、自分よりも遥かにすごい“屁をこく”もの達がそれを“芸”として生計を立てておりました。
やっとじっさまの生きる世界が見つかったと喜ばしく読み進めるものの、展開は激しく変わり、一瞬にして大金持ちから一文無しになったりと、波乱万丈な人生で一体どうなるのか全く先が読めません。
良いこともピンチも“屁”で解決してきたじっさまですが、やがては故郷でもう一度人生やりなおす決意をします。
しかし戻った村は風景こそ昔のままですが、知るものも居なくなってまるで“浦島太郎”のような状況で、胸にぐっと来るものがあります。
読み終えた後には、あのSFのような表紙画(並んで飛ぶ二人)がとても微笑ましく映りました。
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江戸時代にはあったんだ
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投稿日:2008/08/11 |
“さるかに合戦”の大元は「かにむかし」だと思い込んでいましたが、この作品を読んでそもそも江戸時代には存在していたんだということを知りました。
いわゆる古典の昔話は、終わり方が唐突だったり、意外と残酷だったりするイメージがあり、違和感を覚えることもありましたが、この作品は、渋柿を投げられて怪我したカニの仇を取ろうと集まった有志の活躍により、最後には捕まった猿がカニの前に土下座をして謝るという、筋の通しかたを教えられるような展開と、清々しい読後感で、現代でもしっくりと読むことができます。
しかし、この絵本の最大の特徴である登場人物の容姿には、多くの方が始め違和感を覚えるかもしれません。
悪者である猿はケモノの容姿をしていますが、仇を討つ側は皆一様に人間の体の上に、ハチやウスやらクリの顔が乗っかっていて、学芸会のひとコマを見るようで、笑ってしまうかもしれません。それでいて実に写実的で、古い絵巻物を見ている様な気分でもあります。
「かにむかし」を読んで内容を知っている息子も始め、擬人化された登場人物に戸惑い気味でしたが、お話しの内容や方言、独特の言い回しは知っているものと変わらなくも、カニがつぶれて死んでしまう怖いところがないところも受け入れやすかったのか、自分なりに二つの話しを見比べながら聞いている様子でした。
また、あとがきを読むと“さるかに”の裏側を知るような解説があってとても参考になります。古典もののシリーズのようなので、他の作品も是非読んでみたいと思います。
他の“かるかに”と比較して読んで欲しい作品です。
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