ドッテテドッテテ、ドッテテド ドッテテドッテテ、ドッテテド でんしんばしらが歩きだす。黄色い顔の電気総長がやってくる。恭一が遭遇した奇妙きてれつ不思議な夜---。宮沢賢治の生前に唯一出版された童話集「注文の多い料理店」に収録の、「鉄道線路で虹や月光からもらってきた」珠玉の一篇を、竹内通雅が力強く描く絵本。
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
【著者プロフィール】 竹内 通雅 1957年長野県生まれ。創形美術学校版画科卒。雑誌「イラストレーション」のコンペで、1986年「ザ・チョイス年度賞」大賞受賞。39歳でイラストレーターから絵本作家に転向。主な絵本に、「かぼちゃに したら・・・」(講談社)「森のアパート」(ビリケン出版)「だめだめ、おさるのサルサ」(教育画劇)「どんどん しっぽ」(あかね書房)「おたねさん」(農文協)「きみのともだち」(岩崎書店)など多数。
4歳の息子と読みました。
直感的な絵本。
夜なのに鮮やかな色彩でダイナミックに描かれた、電信柱が羅列されたイラストは、
迫力があり印象的。
恭一の黒目の描写がちょっと不気味で、物語の雰囲気がよく表れています。
リアルすぎない描き方が読み手へ余白を残します。
宮沢賢治の「ドッテテ〜」などの言葉のリズム、不思議で独特でちょっと怖いストーリーと、
絵がとてもよくマッチしています。
読み手の想像力がかきたてられ、頭の中にその迫力のある光景が再現され、音まで聞こえてくるよう。
昔の言葉が多く、息子には内容が難しいかなと思ったのですが、
そんな心配は杞憂でした。
「わからない言葉があっても、ママに説明してもらうから大丈夫」と言って、息子は集中して聞き入って絵に見入っていました。
身体でいろいろ感じていたようです。
「ちょっと怖かったけれど…すごかった」と言っていました。
電信柱の表情もおもしろかったようです。
電気のないころにも話が広がり、彼にとって当たり前のものがなかった時代を考えることもできました。
彼の興味は図鑑的な絵本に多いですが、
実物をリアルに描いたものだけでなく、
このような身体で感じる絵本も読んで、相続力を膨らませ、感受性豊かに育って行ってほしいと感じました。 (トゥリーハウスさん 40代・ママ 男の子4歳)
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