夜のかえりみち。 街頭に照らされた夜道を歩く。 窓からこぼれる光。そこに住んでいる人の気配。 家路をいそぐ親子が出会う、それぞれの夜。
しんとしている夜道は 人の話し声や美味しそうないい匂い そして、ちょっとした物語がひそんでいるみたいです。
お母さんに抱っこされた夜の帰り道、 ウサギのぼうやは眠くなってきました。 お父さんもお迎えに来てくれて、 お家についたらぼうやはぐっすりと眠りにつきます。 なにをおもっているのでしょう。 それぞれが思い思いに過ごす夜の時間は、 静かにゆっくりと流れていきます。
『もりのおくのおちゃかいへ』が印象的なみやこしあきこさんの夜の絵本。 大切な小石を一つずつ確かめるように置かれた言葉を 夜の空気がしっとりと包み込みます。 みやこしあきこさんの描く優しい夜は、ちょっぴりドラマチック。 夜の静かなひと時、おやすみなさいを言うまでの魔法の時間。 この絵本を開いてみましょう。 心の中にそっと夜が広がります。でも仄かにあたたかい。
・・・おやすみなさい。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
静かな夜の街。昼間たくさん遊んですっかり眠くなったウサギの男の子が、お母さんに抱っこされて家に帰っていきます。明かりの灯った家々の窓からは、夜を思い思いに過ごす人々の様子が垣間見えます。電話で話をしている人、遅い時間に料理を作る人、一人きりで過ごす人もいれば、賑やかなパーティーに参加している人々。まもなく男の子は家に着き、ベッドの中で、さっき見た人たちのことに思いを巡らせます。みんな今頃どうしているかな、そろそろ寝る支度をしている頃かな……やがて男の子の想像と現実とが夢うつつの中に混ざり合い、満ち足りた気分のうちに一日が終わっていくのでした―—。一つ一つの絵に想像をかき立てる要素が盛り込まれ、シンプルな物語に奥行きを与える、夜の読み聞かせに最適な絵本。
タイトルからしてちょっと怖そうな絵本かな〜と思って読み始めたのですが、純粋な(?)おやすみなさい絵本でした。
夜ってひとりぼっちのような気がしてしまうのですが、それぞれの家の灯りにそれぞれのドラマがあるんだなぁと思いました。
それにしても、「よるのかえりみち」というタイトルよりは「おやすみなさい」という感じがしました。 (ミキサー車さん 40代・ママ 男の子2歳)
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