
主人公は庭師のおじさん。 庭師というのは、庭の手入れをしたり、新しい庭をつくったりするのが仕事。 彼は言います。庭をつくるのは、絵を描くのに少し似ている、と。
ある日、彼が本を読んでいると、ぱらりと一枚の写真。 そこに写っているのは、不思議な植物でいっぱいの「ほんのにわ」。 一体ここはどこだろう…。そして一緒に写っているのは、やはり庭師であった父の顔!
それ以来、「ほんのにわ」の事で頭がいっぱいになってしまう庭師。 調べても、考えても、いっこうに見当もつかない。 どこかで見た事あるような懐かしさ、でも思い出せない。 そんな時、ふとしたきっかけで出会うことができた「ほんのにわ」で見たものは…。
同じ仕事を通じて触れ合う父と息子の心。時を超えて、場所を超えて。 でも、いつだってそこにあると感じさせてくれる、子どもの頃に見た夢。 なんだか少し切ないような。 そんな気持ちを、みやざきひろかずさんが、ふんわりと優しく、味わい深く、つつみこんでくれます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

庭を作るのが仕事の庭師のおじさん。あるとき、1枚の写真を見つけます。そこには同じく庭師だったお父さんと不思議な植物でいっぱいの庭が写っていました。それ以来、その庭のことが頭からはなれなくなってしまったおじさんですが……。同じ仕事を持つ父と息子のあいだにながれるおもいをふんわりと描きます。子どもの頃の夢への気持ちがしみこんでくるようによみがえる、じっくりよみこめる絵本。

題名に惹かれ、みやざきひろかずさんワールドということで、セレクト。
庭師の主人公が、ある日、亡き父の本で、「本の庭」という言葉に出会います。
ずっと気になっていた矢先、偶然、その世界に迷い込むのですね。
それは、父子をつなぐ絆のような本。
夢?
いいえ、ほら、その証拠に、本の中に忘れてきた帽子。
庭の奥深さも体感できると思います。
小学校高学年くらいから大人まで、滋味深いものを感じ取ることができると思います。 (レイラさん 50代・ママ )
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