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「サクラこうえん」の真ん中にある立派なサクラの木。満開になり、その美しい姿を見ようと週末土曜日にはたくさんの人々が集まります。 ござを敷いて、みんなでおしゃべりして、美味しいものを食べて。「お花見」はとっても楽しいものですよね。
日曜日の朝、公園に遊びに来たハルトが最初に見たのは、ゴミを片付けているミキとおばあちゃん。 「ミキちゃん、なにやってるの?」「みてのとおり、おそうじよ」 そう、お花見でにぎわった次の日の公園は、あちらこちらにゴミがいっぱいなのです。 ミキの強引な誘いもあって一緒に手伝うことになったハルトですが、人が食べ残したり飲み残したゴミをどうして自分が片付けなきゃいけないのか、不思議でしかありません。きたないのに! そこでおばあちゃんが言います。 「サクラの花が咲くとみんながお花見をするように、サクラの花も私たちのことをちゃんと見ていると思うの」 サクラのお花だってきれいな公園を見たいに違いない、そう言われると何だか急に景色が変わって見えてきます。夏にはひまわりが、秋にはコスモスが、自分たちを見ている。だったら、やっぱりきれいな景色を毎年見せてあげたい。ハルトは思います。明日も来年もずっとおそうじを続けたい。 「じゃあ、約束しよう!」
サクラとおそうじと二人の素敵な約束。この3つを結びつけてくれたのは、おばあちゃん。 その豊かな感性はこうして子どもたちに、そしてまたその子どもたちにずっと受け継がれていくのでしょうか。すっかりきれいになったサクラの下に座ったハルトとミキとおばあちゃんの表情の清々しいこと!
大きくて優しい眼差しにつつまれた、可愛らしく気持ちのいい絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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大きなサクラの木がある公園の春は、お花見でにぎやか。日曜日の朝、ハルトは花見のゴミをかたづけているミキとおばあさんに会います。「人の出したゴミをかたづけるの?」と不思議がるハルトにおばあさんは、「人がサクラを見ているだけじゃなく、サクラも人を見ていると思う」と答えます。その言葉でハルトもそうじを手伝い始め……。お花見を通じて、人が環境の一部であり、環境を作っていることについて考えさせられる絵本です。

親である大人の私が読ませていただきました。
最後の展開(絵本が開いているページ〜)ひねりがあっていいですね!
幼稚園児くらいの子供は純粋な気持ちのまま,この絵本から道徳的なことを学べると思います!
お花見に出かけたら自分のゴミは自分で持ち帰る,当たり前のマナーが実際にはできていない現状もありますから,大人も考えなければいけないですね。 (まゆみんみんさん 30代・ママ 女の子4歳)
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