
おばあちゃんのおうちにお泊りにきたキミちゃん。ところが、おばあちゃんは横になっています。腰をいためてしまったのです。お風呂であたたまれば、すぐに良くなると言うけれど。
「わたし、おふろ あらってあげようか?」
あらあら、キミちゃん。大丈夫? なにしろ、お風呂そうじなんて初めてです。それに、おばあちゃんの家のお風呂は、ちょっぴりこわい。その時、ポチャン。水の中にきんぎょが、いっぴき、にひき、さんびき、よんひき……最後に黒いデメキン、全部で5匹が泳いできたではありませんか。驚くキミちゃんに、きんぎょは言います。
「さがって! おふろそうじは きけんな しごとです」
お風呂のおもちゃに水を入れて頭にかぶり、陸にあがってお風呂そうじを始めます。みんなで栓を抜き、水を抜くと、今度は洗剤をまいてゴシゴシ。キミちゃんもまねをして……。
テーマは「おふろそうじ」。とても身近な日常のお話です。ところが、どのページを開いても、驚きがとまりません。なにしろ、そうじをしているのはきんぎょ。「おふろ」と「きんぎょ」の組み合わせなんて、ありえません。ありえないのに、この絵本の中では実現してしまっているのです。
この奇抜なアイデアを生みだしたのは、絵本だけでなく、アニメーションや映画の監督としても活躍されているとみながまいさん。そして絵を手がけているのは、世界的アニメーション作家でもある山村浩二さん。日常と非日常が入り混じる愉快なファンタジーは、想像以上に刺激とスリルに満ちています。きんぎょたちの見たことのない動き、リアルな描写なのにあふれ出てくるキャラクター性、ちょっぴりレトロで懐かしい世界観。みどころはたっぷり! 親子で、あるいはおばあちゃんやおじいちゃんと一緒に楽しむ絵本としてもぴったりな一冊です。
さてさて、キミちゃんは無事におばあちゃんとお風呂に入ることはできたのかな?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

お風呂掃除なら金魚隊にお任せ!! いま、明かされる「金魚のひみつ」
・5匹の金魚たちが繰り広げる奇想天外なお風呂掃除絵本 ・世界的なアニメーション作家・山村浩二が描くレトロで愉快な金魚の世界 ・カバー袖には個性あふれる「きんぎょたい」のキャラクター紹介付き
おばあちゃんの家でお風呂掃除をすることになったキミちゃん。 お風呂場に行くと、お風呂の給湯口から、5匹の金魚が現れた! 「ふっふっふ わたしたちはね、とくべつな くんれんを しているの。 まねしちゃ だめよ。まあ、みていなさい」 そう言うと、金魚たちはお風呂のおもちゃに水を入れて頭にかぶり、 陸に上がってお風呂掃除を始めます。 日常と非日常が入り混じる愉快なファンタジー絵本。

山村浩二さんの挿絵が気に入って、こちらの絵本を読みました。
プラチナ絵本に選ばれていることには驚きましたが、腰を痛めたおばあちゃんのために、孫がお風呂掃除をしてあげるという、なんとも優しいストーリーに癒やされました。
息子は誰かのために、何かをしてあげようという心が芽生えていない気がします。
誰かのために、何かをしてあげようと思う心って、どうやって育っていくんだろうと、子育ての難しさも感じてしまいました。 (ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子5歳)
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