風邪をひいて寝込んでしまったお母さんのかわりに、魚を買いに出かけたモリー。そこで、「ひとつだけ願い事が叶う」という魔法の骨を手に入れるのです。家に帰ると、妹や弟たちは興味津々!でもモリーは慌てません。しっかりと願い事を考えてから、魔法の骨を使おうとするのですが・・・。 「ひとつだけ願い事が叶う」魔法の骨なんて、手に入れたら誰だって浮き足立っちゃいますよね。当然、妹や弟たちは大騒ぎ。読んでいる方も「私だったら・・・」思わず一緒に考えちゃったりして。ところが、モリーは落ち着いたもの。なんてしっかり者の長女なんでしょう!こんなモリーのことだから驚くような魔法が使われる展開はないだろうな、とわかっていても、この地に足が着いた感じがとても心地の良いストーリーなのです。 作者は人気作品『ないしょのおともだち』のバーバラ・マクリントック。丁寧に描かれたキャラクターやクラシカルな室内風景などが魅力的なのはもちろん、全編を通して伝わってくる芯のしっかりした優しさというのは、やはり子どもたちに伝えたくなるものなのです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
願いがかなう魔法の骨を手に入れたモリーは……。 ディケンズのお話をもとに人気絵本作家が描いた絵本。クラシックな雰囲気が魅力。
タイトルと表紙の絵が気になって、発売以来ずっと読んでみたいと思っていたのですが、やっと手に入れました。
街の住人達はすべていろいろな動物たちでとても賑やかです。
1ページ1ページの人(住人たち)の動きや町の様子、
部屋の木目や壁のシミ、ベッドシーツのしわなどの隅々の背景や、子どもたちの表情など細かいところまで生き生きと描かれていて、この本の世界がしっかりと確立しているなぁと、感じました。
ちょっと気になったのは主人公モリーの顔で、
他の兄弟などに比べやけに大きく見えたのは私だけでしょうか?
あと、たくさんの動物たちの街なのに、なぜかこの一家は「うさぎ」を飼ってるんですよ〜。そこがちょっと違和感がありました。
全体的にはとても見ごたえのある素敵なお話です。
物語の中で雪が降っているし、暖炉の火がとても暖かく感じられるので、寒い季節に読んでみたくなる1冊です。5,6歳くらいから小学校高学年くらいのお子さんの読み聞かせなどにもいかかでしょう?
ただし、何度も書きますが、細部にわたりとても細かい情景を描いてくれている作品なので、できればじっくりひとり読みか、少人数(親子等)で読んでもらった方が、お話の世界がよくわかると思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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