喜びや悲しみ、浮き浮きした気もち、寂しさ、怒りや諦め、みんな入った「ユトリロの白」を塗り続けたある職人の一生を綴る絵本。
淡々としたお話だけど、とても深みのあるお話です。
人の心を色にする、その人に合った色を作る。
ペンキやにとって、色って微妙に違っていること、その色を作ることがとても大変でもあり、やりがいのあることなのです。
芸術家ではなくて職人。
ペンキやの一生と、ペンキやの魂が凝縮されています。
そして、何よりスゴイのは絵。
この話の命は色の微妙な表現です。
ここで絵を描くことは、自分を試されることかも知れません。
ユトリロの白、元気の出るレモンイエロー、思い出が滲むような水色…。
絵を描いた出久根さんは、主人公のしんやになりきって描いたのでしょうか?
この絵本が私の気持ちを吸い取ってくれるよう。
心がしんとおさまっていきます。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
|