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
食べるものも底を突いてしまった貧しい男が、山で出会ったオオカミのかしらに、かざして見るとその人の本当の正体がわかるという不思議なまゆげをもらう。男が自分の女房を見てみると…。

読み終えて、しばらく考え込んでしまいました。
貧しい夫婦はどの様な仲だったのでしょうか。
長年連れ添ったお嫁さんが、古ぼけた牛だったら、どう考えれば良いのでしょう。
街をゆく人が、みんな獣に見えたら、自分はどうしたら良いのでしょう。
人間の本当の姿が見えるというオオカミのまゆげを、オオカミの頭がくれました。
真人間は喰うことが出来ないと、くれた物でした。
この世に真人間というものはあまりいないようです。
人はみんな獣なのです。
私は、間違いなくオオカミに一飲みにされてしまうでしょう。
それより、嫁さんから逃げ出して幸せに暮らしたという男は、これで良かったのでしょうか。
どこか真人間というものは孤独な存在のようです。
私は、真人間でなくて良かったと思います。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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