![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
広い大地に登場するのは、前足がものすごく大きいねこ。「ペッタン ペッタン」と歩いてきます。ねこは「こーんなに てがおおきい」と、こちらに向かって前足をにゅっと出してきます。(イラストが迫力満点! 画面から前足が飛び出してくるようです。あまりに不思議すぎる展開なのですが、このねこがどうするんだろうと気になって、度肝を抜かれたまま、さあ、次のページへ。)
美しい野山を背景にねこは歩き続け、そしてタヌキに出会うのですが、いきなりねこは大きな手をのばし、タヌキの顔を掴んで「ギューッ、ギューッ」と。なんとおにぎりにしてしまいました。次々現れる強そうな動物たち、ライオンやカバ、ワニ、テングザル、ゾウにも、その大きな手をのばして…。
長新太さんらしい迫力あるストーリー展開、ナンセンスなおもしろさが、この絵本の何よりの魅力です。そして、イラストに説得力があるのがすごいところ。配色の美しさもさることながら、筆のタッチも魅力的で、平面的に塗ったり点々を多用したり、のびやかな表現を見ていると気持ちが解放されます。この大らかで、摩訶不思議な世界に身をゆだねてみてください。
(長安さほ 編集者・ライター)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
復刊ドットコムは、2014年、絵本評論家・広松由希子氏による推薦で「ずっと残したい絵本」というシリーズを立ち上げました。 その第3弾は、長新太の名作『そよそよとかぜがふいている』です。
なぜだかペッタンペッタン歩き、大きな手で、何でもおにぎりにしてしまうネコ。ネコにおにぎりにされるのは、いったい誰でしょう? 人気絵本作家の長谷川義史氏も「長新太の絵本ベスト3」として選んだ本作。著者の、みずみずしく、美しく、自由で、力強い絵の魅力。そして、誰にも真似のできない、その独特の世界観は、まさに長新太ワールド! タイトルと、その内容のギャップに、誰もが驚かされることでしょう!!
※本書は、2004年・教育画劇刊『そよそよとかぜがふいている』を底本に、再編集して復刊するものです。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
ちょっと怖い、けど、フッと笑える、この感じはなんでしょう…
不思議です。
やみつきになりそうです。
日々の「こうせねば…こうせねば…」と追われる仕事や生活で、凝り固まった頭をマッサージぢてもらったような読後感があります。
作者の長新太さんの頭のなかはいったいどうなっていたのでしょうか?
(ピンピンさん 50代・その他の方 )
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