![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
動物園の動物たちが人気です。 昔から人気者ではありましたが、だいぶ変わってきたのはその“見せ方”。水族館のように工夫が凝らされ、見慣れたはずの動物たちから新しい魅力を引き出しているのが受けている様子。 もっとも、当の動物たちがどのように感じているのかはわかりませんが……。
さて、クロベエは体長4.1m、ナイルクロコダイルという世界一大きくなる種類のワニであります。 生まれてすぐに日本に連れて来られたときには、わずか30cmという大きさでありました。30年間、飼育係の松原さんが手塩にかけて育てた甲斐あって、すくすくと大きくなったのであります。 そのクロベエが、ある日、病気の松原さんに代わってエサをやろうとした飼育係に噛みついたからさあ大変! 園長は松原さんに、クロベエを“処分”するようにと申しつけます。 いや、実はカクカクシカジカ、それなりの理由がちゃんとあるのだと力説する松原さんでしたが、噛みついたという事実に変わりはない、「お客さんが不安がると困る」と園長は聞く耳を持ちません。 ガックリと肩を落とす松原さん。そこで一計を案じ、夜中にこっそりとクロベエを動物園から連れだして、故郷のナイル川へ帰るようにと淀川に放してやります。ところが、生まれてこの方、外の世界をまったく知らないクロベエでありますから、松原さんから離れようとしない。家に連れて帰るわけにもいかず、はてさて、すっかり困ってしまう松原さん。 ところがそこへ通りがかったオジサンが手を差し伸べた。これは助かったとクロベエを預ける松原さんでありました。 ところが、あとで知ってビックリ。そのオジサン、実はハンドバッグ会社の人で……あわわわ!
人と動物の友情・愛情、それは果たしてクロベエのピンチを救うのか? というお話であります。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
桂三枝さんの落語絵本と書いてあったので、手に取りました。
自宅でこどもたちに読み聞かせたら、3人で大爆笑!飼育係の松原さんのすっとぼけたキャラに大うけでした。特に後半の、ワニのクロベエをなんとか助けたい一心であの手この手と画策し、とおりすがりのおばさんとトンチンカンなやりとりをするあたりが笑いの連続でした。
でも、松原さんの親心(ワニへの)にちょっとじ〜んとします。
最後のオチは「え〜!クロベエどうなっちゃうの?!」って感じなんですが、さらっとフォローされて最後はハッピーエンド(ブラックなオチで終わらない)というのも、子供たちは「ホッ」として読後感が良いようです。 (にふらーさん 40代・ママ 女の子11歳、女の子9歳、男の子5歳)
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