「昔々あるところに…」でおなじみのスタンダードな昔話は決まって3人称、いわゆる「天の声」でえがかれています。3人称から1人称へ。客観から主観へ。
もしあの童話の主人公が自らの口で語ったら。 その額にカメラがついていたら――「1人称童話」はそんな発想のちょっと変わった絵本です。
えがかれるのは、3人称のナレーションでは語られない、主人公の「たとえば」の胸の内。 他者である主人公の視点から物語を体験する1人称童話は「まなざしと気持ちの絵本」といえるのかもしれません。
「もしきみが桃太郎なら?」本の最後には、そんな問いかけが待っています。 この本の大きな楽しみのひとつは読んだ後にあります。お子さま自身が「もし自分なら」を考える。 たとえば旅立つとき、鬼と向き合ったとき、自分ならどんな気持ちになるだろう。 もちろん正解はありません。 物語の中にその身を置いて、そこに現れる「心」や「行動」を自由に想像してみる。 それ自体がお子さまにとって新鮮な体験となることと思います。
まずは「桃太郎」から。以降「シンデレラ」「浦島太郎」へ。 ひとつの物語がお子さまの豊かな滋養となりますように。
6歳の息子と読みました。
コンセプトがとっても面白い。
俯瞰的ないつもの昔話の桃太郎でなく、「桃太郎」本人の物語。
この本では、昔話より、少し怖がりな桃太郎でした。
「視点」を変えてもろもろ想像しながら本を読むことは、
いろんなことを考えるだけでなく、
日常の生活の上でも、とっても大切だと思います。
他人の気持ちを慮ったり、他の立場を想像してみたり。
そんな意味で、このコンセプトはとてもすばらしい。
息子も、このちょっと怖がりな、等身大の桃太郎に共感していました。
そして、イラスト。
すべて桃太郎の目からみたものなんですね。
このシリーズ、ほかのものも読んでみたいです。 (トゥリーハウスさん 40代・ママ 男の子6歳)
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