「おめでとう。 いよいよ いちねんせいだね」
ゆうきくんは、これから一年生になります。 卒園の日、お家に帰っても、ワクワクとドキドキと不安でいっぱいのゆうきくんは、お布団の中でなかなか眠れません。小学校へは、ひとりで行くんだよね。お母さんはもう送り迎えしてくれません。先生は優しいかなぁ。新しいお友だちはできるかなぁ。いろいろな気持ちが交錯します。 そんなゆうきくんの心の声を聞いて、話しかけてきたモノがいます。それは、毎日使っていた黄色の通園バッグでした。ゆうきくんは、ゆうきくんのためだけの特別な「おめでとうかいぎ」に招待されることに。通園バッグが声をはりあげると、さようならを言うために、赤ちゃんの時からゆうきくんを見守ってきたモノたちが次々と登場します。
ゆうきくんが赤ちゃんだった時の思い出を語るお洋服や哺乳瓶、はじめての靴たち。ゆうきくんのたくさんの「できた」を見守ってきたモノたちともいよいよお別れです。「さよならなんて いやだよ」不安そうなゆうきくんに、通園バッグは新しいお友だちを紹介するのです。
保育園や幼稚園から小学校へ。 幼児から子どもへと成長する過程で、卒園・入学の通過儀式は、子どもたちにとっても大きな変化が待っています。親から離れ、社会的な集団生活の中で親以外の大人やお友だちと長く過ごす時間が始まり、より広い世界へ飛び込んでいきます。新しい小学校生活に期待や希望を抱きながらも仲良しのお友だちとや大好きな園の先生とのお別れに子どもたちの繊細な心は揺らいでいることでしょう。この絵本を読むと、子どもの成長を身近に見守ってきたモノたちの愛情と溢れんばかりのエールに、子どもも大人も背中を押され、新しい旅立ちが楽しみになるに違いありません。そして子どもが普段使っているモノたちへの愛着も再確認できる絵本です。きっとこれでまでお世話になったモノたちに「ありがとう。さようなら。」新しいモノたちに「はじめまして。よろしくお願いします。」ができる子になるでしょう。
絵本を読んだ後に、子どもたちが赤ちゃんの時に使っていたモノやお世話になったモノの思い出話を親子でできるといいですね。新一年生になる子どもたちを応援する絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
卒園の日。なかなか眠れないゆうきくんは、スペシャルゲストとして通園バッグたちが開く「おめでとうかいぎ」に招待されます。そこで待っていたのは、ゆうきくんを見守ってきたものたち。思い出とともにお祝いが伝えられます。
編集者コメント 卒園の「さようなら」と入学の「はじめまして」。期待そして不安…いろいろな気持ちがおしよせる、別れと出会いが同時にやってくる時を、やわらかくすくいあげた作品です。主人公をこれまで見守ってきたものと、これから見守っていくものたちが一堂に会し、お祝いします。夢かうつつか、一度でも自分に向けられる想い、愛をしっかり受け取ることで、無意識にも自分は応援されている存在なのだという安心感が生まれることでしょう。
ありがとうのさようなら、素敵な言葉ですね。
色んなグッズやお洋服に支えられて大きくなって、色んなことができるようになったんだよと、今までお世話になったバッグ達が教えてくれます。
ランドセル達に、これからを託し、見守る側になる通園バッグ達の想いに、ジーンとしました。
こうやって子供は支えられて見守られながらこれからも成長するんですよね。頑張れ、新一年生! (lunaさん 30代・ママ 男の子11歳)
|