「ベゴ」という名前は、稜のある石どもがつけた名前だ。石どもは、退屈な日には、みんなでベゴ石を、からかって遊んでいた。石どもばかりではない。くうんくうんと飛んできた蚊までもが、「どうも、この野原には、むだなものが沢山あっていかんな。たとえば、このベゴ石のようなものだ。ベゴ石のごときは、何のやくにもたたない。」 と馬鹿にするのだ。ところが、ある日のこと…… “内に光るもの”をもつものは、いずれその光を発揮する……。やわらかく、芯のある銅版画で田中清代さんが絵本化。
▼「宮沢賢治の絵本」シリーズ
【著者プロフィール】 田中清代 1972年、神奈川県生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。油絵と版画を学ぶ。1995年ボローニャ国際絵本原画展ユニセフ賞受賞。1996年同展入選。 1997年「みずたまのチワワ」(井上荒野/文 福音館書店)で絵本作家としてデビュー。主な作品に「トマトさん」(福音館書店)「おきにいり」(ひさかたチャイルド)「おばけがこわいことこちゃん」(ビリケン出版)「ねえ だっこして」(竹下文子/文 金の星社)「いってかえって星から星へ」(さとうさとる/文 ビリケン出版)「ひみつのカレーライス」(井上荒野/作 アリス館)「白鳥の湖」(石津ちひろ/文 講談社)「どんぐり、あつまれ!」(さとうさとる/文 あかね書房)「小さいイーダちゃんの花」(アンデルセン/原作 フレーベル館)などがある。
田中清代さんの描かれた“火山弾”良かったです。
模様とか、それぞれの火山弾に描きこまれたイメージの目とか口とか…。
すごくさりげなくて、それでいてしっかりと表情がつかめていて、それぞれの火山たちの個性が見えて面白いな〜と、思いました。
宮沢賢治はこの作品の最後に「ベコ」と呼ばれ、バカにされ続けてて立火山弾に
「私どもは実は、自分でできることをしなければなりません」と言わせています。
他の宮沢作品でも、似た方はセリフが時々出てきますよね?
これは宮沢賢治が常日頃思っている“生き方”なのかな〜と、感じました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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