イラストは石倉欣二さんが担当されています。
表紙絵が一つの村の地図のような見開きになっていて、なかなか面白かったです。
アイヌ神話の絵本の1つですが、この話は神々しい話ではなく、農村地帯の民衆の伝承のようです。
「アイヌの神さま」は言葉としては登場しますが、人間(村の人々)やキツネが“お願いをする”対象であって、姿かたちは出てきませんでした。
他のアイヌの神話をベースにした絵本の作品と比べ、とても『今風』な絵なので、表紙だけ見るとパッと見、神話や伝説を描いた昔話だとは思えない感じです。
字も絵もはっきりしていて、読み聞かせなどにも使えそうです。
ただ、この物語は主人公がはっきり「誰」というものではないので、子どもたちがどのくらい食いついてくれるか…。もし読み聞かせに使うなら小学校高学年以上の、読み聞かせ慣れしたクラスでやってみるといいかもしれません。