何事も分かち合う、万物を神として崇める、アイヌの世界のしきたりは素朴でありながら、利他主義であり、人を思いやる倫理観念で通されています。
アイヌの採ったシャケを一匹拝借したキツネはアイヌから罵られ、小鳥も住めないような場所に追いやられようとしました。
自分からするとあまり不思議のないことが、アイヌの社会ではいけないことだと語られます。
アイヌもキツネも神の恵みであるシャケを分かち合い共存していくことがアイヌの思想なのです。
とても素晴らしいしきたり。
自己中心で排他主義にならされている現代の日本社会。
子どもたちにアイヌの社会を伝えることは、大人である自分への反省でもあります。
考えさせられる絵本でした。