「5ひきのくまさん」 みんなの声

パンダ大好きの息子が見つけてきた絵本。

読みながら、「確かにパンダもクマの仲間だけど、クマと扱われるのはいかがなものか…」と思いました。
くろくまさんから始まり、次々と他のくまさんたちと出会うのですが、最初は感じの悪かったクマたちも、「よい１日を」と言われると、心が温まり、みんなで一緒に歩き始めます。

海外の作家さんらしい挿絵も魅力的な絵本です。

『Five Bears』が原題。
題名と表紙絵を見て、お、なるほど、と思わせる魅力があります。
そう、5種のくまさんたち。
くまといえども、多様性という事でしょうか。
くろくまさんが散歩中、もじゃもじゃくまさんと出会い、
話を交わしてなんとなく一緒に歩く展開。
そして、パンダさん、大きなくまさん、しろくまさんも合流して。
それぞれの個性は尊重しつつ、「楽しい一日を」という声掛けにとどめ、
ほら、段々と同調していく様子が愉快です。
仲良くなるヒントがさりげなく提示されているような気がします。
小学生くらいから大人まで、心にスッと心地良い作品です。

１ひきのくまさんが歩いていたら、見知らぬくまさんと出会いました。
そして、一緒に歩き始めました。
このシチュエーションが繰り返されて、５ひきのくまさんが友だちになりました。
それだけの本にぬくもりを感じるのは、今の世界の理想だからでしょうか。
様々な違いを簡単に乗りこえられたくまさんたちに教えられたような気がします。

表紙の絵にひかれて、読んでみたら、すごく良かったです。姿はちがう５匹のくま。その心情が、とても短い言葉なのに、伝わってきます。なんとも自然で、こういうこころもちは素敵だなあ、と思ってしまいます。そして、絵も魅力的。ほんわかと、やさしい気持ちになる絵本でした。ちょうど、新しい人間関係に入っていくこの時期。プレゼントしたい絵本になりました。