パンのかけらとちいさなあくま」 ママの声

パンのかけらとちいさなあくま 作:内田 莉莎子
絵:堀内 誠一
出版社:福音館書店
税込価格:\1,100
発行日:1992年02月
ISBN:9784834010831
評価スコア 4.81
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みんなの声 総数 56
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  • 小さな悪魔のとんちの良さも痛快

     リトアニアの昔話ということで、興味を持ち手に取りました。
     バルト三国のひとつリトアニアは、戦後東欧という括りの中にありましたが、最近は北欧の括りの中に入ることもあるやに聞きます。
     このお話に出てくる「悪魔」は、邪悪なものというイメージよりは人間好きの優しい妖精のイメージに近いと感じました。
     そこからも、トロルやトムテに近い感じがして、北欧っぽいかもという印象です。
     
     さて貧乏な木こりの昼食のパンの欠片ををさらって帰った小さな悪魔を「なんて やつだ!・・・」と諫め、謝らせさらには木こりのために働いて来いという大きな悪魔たちの言葉に笑いました。

     沼地を地主の許可をもらい麦畑に、木こりを手伝い変えていくページは見事です。
     やっと収穫までこぎ着けたところで、意地悪地主の行いの敵をとってやる小さな悪魔のとんちの良さも痛快です。
     最後の麦束の絵は驚きながらも笑いました。
     
     読後リトアニアの「悪魔」観について調べてみたら、やはり人間と友好的な存在だそうで、リトアニアの家庭のあちこちに好運と幸福の象徴(しるし)として、小さな悪魔の彫像が置いてあるのだそうです。

    投稿日:2010/09/23

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    3
  • 悪魔とは、思えないんですけど!

    • 多夢さん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 女の子10歳

    悪魔なのに、とってもいいこと言うんです。
    きこりのお弁当を盗んで来た小さい悪魔に対し、
    「貧乏なきこりの大事な弁当じゃないか。
     さ、今すぐあやまりにいけ。
     お詫びのしるしに、きこりのために働いてこい。
     なにか役に立つことをやってこい。
     それまでは、帰ってくるな!」

    大きな悪魔たちに怒られた小さい悪魔は、
    きこりを助けて、一生懸命に麦を育てます。
    その働きっぷりはすごい!
    さすが悪魔!?
    でも、その行為は悪魔とは思えないんですけど・・・
    大切に育てた麦を、地主さんに全部取られてしまった時だって、
    小さな悪魔の知恵で、それ以上の物を取り戻してきたし。

    お陰で、貧しかったきこりも裕福になり、ハッピーエンド。

    誰が、悪魔?って感じだったけど、
    物語の展開も面白かったし、いいおはなしだったな〜と思いました。

    娘も、最初はひとり読みしたことがあった絵本で、
    今回、初めてリクエストで、読み聞かせをしました。
    いつも、我が家は「読みっぱなし」なので、感想は聞けてませんが、
    たぶん、好きだと思います。
    私も今回初めて読んで、好きになりました。

    また、小学校の読み聞かせにも活躍した絵本でもありますが、
    年長さんからでもいけると思います。

    投稿日:2010/09/15

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    3
  • 良いあくまと悪い人間の地主

    私の幼稚園の頃からの愛読書。小さい悪魔も大きい悪魔も登場する悪夢はみんな良い行いをして、地主が終始態度も行いも悪いのが面白い。小3の教室で読んだけれど、沼を飲み干すところで“ウゲー”とザワザワっとしていました。幼い頃の私と同じ感じだったのがクスっとなりました。国土の98%が森林と農地で4000以上の湖があるリトアニアの紹介を少ししてから話し始めました。絵が素敵なのです。

    投稿日:2024/11/22

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    1
  • あくまというけれど

    • けいご!さん
    • 40代
    • ママ
    • 福岡県
    • 女の子17歳、男の子13歳

    小学三年生の朝の読み聞かせで読みました。
    前から、おすすめの絵本として紹介されていたのですが、ずっと手に取らずにきてしまいました。
    でも、最近になって、昔話の魅力を少しずつ知る機会があり、日本に限らず世界のものにもその発見があることがわかって、子どもたちにも伝えていかなければという気持ちにようやくなってきました。
    世界の昔話には、各国独特の文化や習慣がありつつも、長く受け継がれたお話ならではの共通した魅力があると思います。
    このお話でいうならば、小さくて力のない、でも優しい心の持ち主が、大きくて心のけがれたものに立ち向かい、悪をたおすといったところでしょうか。わかりやすい話の展開と勇気づけられる結末が、これまでにたくさんの人々の心を惹きつけ、長きにわたり語り伝えられてきた要因だと思います。
    また、このお話で印象的だったのは、あくまという存在が、決して人間にとってこわい存在ではないということです。リトアニアでは、人間となかよく共存しているものと位置づけられているのでしょうか。それは、すてきな関係だなと思いました。

    投稿日:2016/10/12

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    1
  • 優しくてかわいいあくま

    5歳の息子と7歳の娘と一緒に読みました。
    「ちいさなあくま」と聞いて、どんなこわいあくまだろう?と思ったら、かわいくてそしてとても心の優しいあくまでした。
    一方、あくまよりもあくまっぽいのがよくばりな地主です。きこりがあくまと一緒に一生懸命育てた小麦を奪ってしまいます。
    ちいさなあくまが知恵をつかって、奪われた小麦を取り返す場面ではスカッとしました。こどもたちも「いいあくまだったね」とうれしそうでした。
    堀内誠一さんの挿し絵がおはなしにぴったりとあっています。大勢への読み聞かせにも向いている絵本ではないでしょうか。

    投稿日:2014/10/29

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    1
  • こんな悪魔もいるんだね

     大好きな堀内誠一さんの絵。これはリトアニア民話ですが、フランス民話の「きこりとおおかみ」と並んで好きなお話(そして、好きな画風)です。 お話も起承転結がはっきりしていて、ハラハラしながらも最後まで安心して読めます。

     貧乏なきこりのパンを盗んできてしまった小さな悪魔に、
    「おわびのしるしに きこりのために はたらいてこい。なにか やくにたつことを やってこい。それまでは、かえってくるな!」と、叱りつける大きな悪魔たち。
    おぉ〜、悪魔なのに、人の道を守って、すばらしい!と感激していると、「なんで帰ってくるな、って言ったの? 家族なのに・・・」と、娘の悲しそうなつぶやき。子どもって、本当に大人とはまったく違った感じ方をするものなんですね。

     小さな悪魔の怪力振りにはびっくりでした。沼の木を片っ端から引っこ抜くのを見て、「まゆとおに」のまゆみたいだね、と笑ったり・・・。
     知恵を絞って、地主をぎゃふんと言わせる場面の爽快感はたまりません! 飛び掛ってくる牡牛たちをひょいひょいとつかまえ、大きな麦の束をのせて、さっさと帰っていってしまった小さな悪魔に、思わず大拍手。 
     驚きのあまり、「じぬしは ひっくりかえって しんでしまいました。」・・・
    「ええ! 死んじゃったの? もう動かないの?」と、娘は2度びっくり。

     最後のページにも悪魔たちの愛情がいっぱいあふれています。きこりのために役に立つことをし、やっと家に帰った小さな悪魔が、大きな悪魔たちにたくさんほめてもらったのか、頭をかいて照れているような影絵が、本当にかわいらしく、微笑ましいですね。

    投稿日:2009/08/03

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    1
  • 良い悪魔がいる

    息子と私が驚いたのは、悪魔でもよい行いをすることと、地主が死んでしまうところでした。

    子「こんなに簡単に死ぬかな」
    母「でも、悪いことしたから、罰が当たったんじゃない」
    子「でもさ、それにしたっておかしいよ。こんなことで死なないよ」と、二か所でした。

    息子は次の日も気になったのか、読んでいました。

    絵本によって絵の印象が違う堀内さん。

    濃い緑色と太い線が、どことなくスズキコージさん的だなあと思いました。

    お話的には、知恵をきかせたお話でとてもおもしろかったです。

    投稿日:2009/04/28

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    1
  • 悪魔が外国のお話らしい

    外国のむかしばなしということで読んでみることにしました。「むかしばなしは国境を超える」ではありませんが、「どこかにありそうなお話だな」とは思いました。けれども、悪魔が出てきたり、その悪魔が知恵を働かせるストーリーは、「外国のお話ならでは」だと思いました。

    投稿日:2025/03/03

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  • 面白い昔話です

    小さなあくまが、パンのかけらを盗みました。ところが、家に帰ると、そんな悪いことをしてはいけない。あやまって、その上、お詫びに手伝ってくるようにと言われます。まず、あくまなのに、最初から普通と違って面白いですね。小さなあくまがかわいいです。

    投稿日:2024/12/12

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  • 愉快な知恵

    副題にリトワニア民話とあります。
    内田莉莎子さんの再話ですから、滋味深いです。
    ちいさなあくま、という題名に少しひるみましたが、
    表紙絵を見て、茶目っ気ある男の子のようで安心安心。
    貧乏な木こりが、パンのかけらだけのお弁当を持参して働いていると、
    面白いことを探していた、ちいさなあくまがそれを盗むのですね。
    得意顔のちいさなあくまは、意外にもおおきなあくまたちに怒られ、
    返しに行くのです。
    このおおきなあくまたちの諭し方がお見事です。
    貧しい者から盗むことの愚かさ、お詫びに役に立つことをして来い、とパーフェクトな回答。
    もちろん、木こりは即座に許しますが、どうしても役に立つことをさせてほしい、
    とのことで、ここからが面白いです。
    欲張りな地主との知恵比べの様相ですが、見事に大団円。
    やはり、爽快です。
    堀内誠一さんの絵も味わいがあって、民話の雰囲気が伝わってきます。

    投稿日:2022/03/16

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