賢くて、いつもみんなの頼りにされているアナグマ。大変歳をとっていて、知らないことはないというぐらい物知りです。だからこそ、自分が死ぬのがそう遠くはないことも、知っていたのです。
アナグマは死ぬのを恐れてはいません。だけど、残していく友だちの事が気がかりです。みんなへの手紙を書き残したその夜、アナグマは不思議な、そして素晴らしい夢を見たのでした……。
年齢を重ね、経験が増えていくと、「死」というものが、残された人のものであるという事がよくわかっていきます。そして、もちろん「死の悲しみ」は解説できることなんかじゃない、ということも。
この絵本では、残していく者と残されていく者を、前半と後半に分けてしっかりと丁寧に描き、誰の心にも届くように優しく繊細に語りかけてくれています。死を迎えるということは、どういうことなのか。亡くなった人とどう向き合っていけばいいのか。正解なんてないからこそ、それぞれの立場から好きなように読み解くことができるのです。子どもたちにとっても、です。
『わすれられないおくりもの』がロングセラーとして読み継がれている理由は、「アナグマの死」を通して、愛情や友情、知恵を引き継いでいくことの大切さ、そしてそれぞれの生き方までを考えさせてくれるような、その静かな語りかけの魅力なのかもしれません。それでも、この絵本が、悲しみを乗り越える、ひとつの「きっかけ」となってくれたなら嬉しいです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
野原のみんな、ひとりひとりにアナグマが残していったすてきなおくりものとは……!? アナグマが死んだ。でも、みんなの心の中で、大すきだったアナグマは生きている。 アナグマは、もの知りでかしこく、みんなからとてもたよりにされていた。冬のはじめ、アナグマは死んだ。かけがえのない友を失った悲しみで、みんなはどうしていいかわからない……。友だちの素晴しさ、生きるためのちえやくふうを伝えあっていくことの大切さを語り、心にしみる感動をのこす絵本です。
お母さま方へ まわりのだれからも、したわれていたアナグマは、年をとって死んでしまいました。かけがえのない友を失ったみんなは、どう、悲しみをのりこえていくのでしょうか……。スーザン・バーレイの手になるこの感動的な絵本は、友人どうしのあり方や、たがいに、心や技を伝えあっていくことの大切さ、ひいては、人間の生き方をも、静かに語りかけています。この美しいお話と、それにぴったりの絵をつけたスーザン・バーレイは、「わすれられないおくりもの」で、初めて、子どものための作品を書きました。 すぐれた作品は、読む人それぞれの思いや経験によって、さまざまな新しい発見があることと思います。どうか、この絵本との出会いが、お子さま方にとって、貴重なものとなりますよう、お母さまもご一緒にお楽しみ下さい。 (表紙カバーより)
「長いトンネルの向こうに行くよ、さようなら」
そんなお手紙を残して死んでしまったアナグマくん。
初めて読んだ時、登場する動物達の心の美しさを感じて、涙を流した覚えがあります。
ヨンデミーでもオススメする事が多い本ですが、子ども達がいのちの尊さ、周りの人たちを思いやることの大切さに気付くきっかけとなる一冊になっているようです。
大人になってなお、手に取る度に心震える一冊です。
大切な人と、是非。 (ヨンデミー_子どもが読書好きになるオンライン習い事さん 20代・せんせい )
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