有名なアンデルセン童話の一つですね。
江國香織さんが丁寧に訳してくださっています。
繊細で哀愁を感じさせる、何とも言えない絵を、ツヴェルガーさんが添えます。
そう、おやゆびひめには次々と困難が立ちはだかるのです。
次々と誘拐され、飢え凍えそうになったり、
ヒキガエルやモグラのお嫁さんにされそうになったり。
懸命に生きる姿は、植物から生まれてきたことに通づるようにも感じました。
だからでしょうか、ツヴェルガーさんが描くおやゆびひめの造形は、
芯の強いハイティーン。
ハッピーエンドですが、明るい色調で終わるのでなく、
あくまで、おやゆびひめの、内面の成長を垣間見る印象でした。
小学校中学年以上くらいからの方が、より深く味わえると思います。