タケノコごはん」 パパの声

タケノコごはん 文:大島 渚
絵:伊藤 秀男
出版社:ポプラ社
税込価格:\1,430
発行日:2015年07月
ISBN:9784591145777
評価スコア 4.72
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  • しょっぱい、タケノコごはん

     この絵本の文を担当しているのは、「戦場のメリークリスマス」などを撮った映画監督の大島渚さん。残念ながら2013年に永眠されています。
     その大島さんの絵本が2015年に出版されたのには理由があります。
     この作品は大島さんの息子武さんが小学3年の時に出された宿題、お父さんかお母さんのこども時代の思い出を作文にして提出から生まれたものなのです。
     小学3年生の息子が読んでも感動する作品、戦争の時代を少年期に過ごした大島さんが子ども世代に残したいという思いが伝わってくる作品。
     きっと大島さんの中にはいつまでもこの頃のことが心に残っていたのだと思います。

     物語の舞台は中国の戦争から米国を相手に戦火が拡大していった時期。
     大島さんのクラスに「さかいくん」というわんぱく少年がいました。わんぱくというのは乱暴者ということではありません。気の弱い大島少年を助けてくれたりします。
     さかい君のお父さんは軍人でしたが戦争で亡くなってしまいます。そのことがどんなにさかい君の心を傷つけたことでしょう。

     大島さんが5年生の時には戦争に行った前の担任の先生も戦死します。
     そして、やさしい先生も兵隊にとられていきます。その最後の日曜日、大島さんやさかい君は先生の家に行って別れを告げます。
     その時に出されたのが「タケノコごはん」でした。
     涙ながらにタケノコごはんを食べながら、さかい君は大きな声でこう言います。
     「先生、戦争なんかいくなよっ」。
     大島さんが私たちに残してくれた、熱いメッセージです。

     伊藤秀男さんの絵が大島さんの思いを強く伝えてくれています。

    投稿日:2016/06/26

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  • さかいくんの涙

    大島渚が自分の子どものために書いた作文が絵本として発表されたものです。
    戦争の事を書いているのだけれど、直接的な戦争批判ではなく、自分が子ども時代に実体験した事を飾ることなく、正に父親が書いた作文として、淡々と書いています。
    友だちだったさかいくんの初めて見せた涙の重さが心に突き刺さります。
    お父さんの戦死にも見せなかった涙。
    担任の先生も順番に戦争に呼ばれて行きます。
    学校では戦争賛美の教育が行われていたと思い込んでいた私にとって、とても人間的な先生は、色々な事を考えさせてくれました。
    あとがきの大島武さんの言葉にこの絵本の意味を受け取りました。
    自分で考える人になって欲しいという大島渚の言葉を受けて、読者に考えることを任せた絵本です。
    伊藤秀男さんの絵が想像の世界を深めていると思います。
    読み聞かせに使いたいと思います。

    投稿日:2015/10/31

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