町の大富豪:亀小路家の長女が誘拐され、家宝のレインボーダイヤを要求する脅迫状が届いた。我らがお尻探偵は、早速現場に向かうが…
昭和の名作「少年探偵」(江戸川乱歩・作)を思わせる舞台設定。大富豪の豪邸内に勝手に入り込める気分になり、大浴場(殆ど銭湯)や迷路会場化した庭園、住んでいる人も知らなかった地下道などを探検。探偵が謎解きする場面を読者も参加できるイベントも髄所にあり、イベントがなくても画面の隅々まで面白い人物を探して遊べる仕掛けがあり、最後まで読者をあきさせない。本1冊がまるごと遊園地のようだ。
亀小路家は代々、個性的な当主が出る。肖像画の並んだ部屋には実に様々な来歴を思わせる人物がいて、それだけでも物語が出来そうだ。他にも奥様と旦那様の年齢が離れすぎているとか、大浴場に集う人たちやお手伝いさん達など、謎多き家だ。
脇役のキャラクターの面白さもこの本の魅力だが、最後のページの「ニュース新聞」も楽しい。
どこを見ても楽しい。子犬のブラウンもファンキーすぎて楽しいし、人気が出来る理由がわかる。