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いちりんの花と言えば私は今は亡き母のことを思い出さずにはいられません。母は昔からお花が大好きでした。未生流でいつも家でお花を生けてくれました。母のおかげで私は華道に興味を持ち、お花が大好きになりました。この本はとても優しい気持ちにさせてくれます。私はこの本を読みながらいのちということ、生きるということをあらためてしっかり考えました。私はこれからもずっとお花を大切にしていきたいと思います。
投稿日:2021/04/30
絵本は、故・平山郁夫画伯の妻・美知子さんと、娘さんの弥生さんが描いたもの。折しも東日本大震災が起こり、弥生さんが詠んだ詩に、美知子さんが鎮魂と再生への思いをこめた版画を制作された絵本とのこと。 派手な色彩ではないけれど、「いちりんの花」に込められた大きな暖かい真心が穏やかに伝わってくる絵本でした。大地の誕生から、自然に咲く一輪の花、生物らの誕生、平和や戦争も起る中、育まれてくる命、感情そんな当たり前の事を受け止め、大事に守り続ける大切さを感じました。 どうか天災・人災を受けた皆様方だけでなく、地球に生きとし生けるものとして、大事にしてきたもの、大事にしていかなければならいものを改めて感じ、考えていきたいものだと思いました。
投稿日:2012/05/08
2012年1月の初版。 文、平山弥生さん、絵、平山美知子さんという親子による作品。 平山の姓から、もしやと紹介欄を見ると、やはり、あの平山 郁夫さんの奥様と娘さんでした。 平山郁夫さんと言えば、現代日本画壇の最高峰に位置する画家であり、弥が上にも期待は高まります。 その奥様である平山弥生さんの経歴が凄いです。 何と、東京藝術大学を首席で卒業。 将来を嘱望されたものの、結婚後、夫を支えることに徹したとのこと。 それが、郁夫さんの遺言によって、活動を始めたというのですから、人に歴史ありといったところです。 物語は、太古の地球の歴史からを、簡易な表現で綴ったもの。 神さまの素敵な贈り物が、いちりんの花。 その花の誕生以来、人間が生まれ出でて、繁栄するのですが、悲しいことが起こったとあります。 絵からすると、原爆のキノコ雲。 人々が争うようになり、沢山の人が亡くなり、花も草も木も焼かれ、動物のいなくなってしまうのですが、 それでも、お日様は私たちを照らしてくれますと結んでいます。 そして、そこには、象徴的ないちりんの花が咲くのです。 とても穏やかな気持ちにさせられる作品です。 そう、いつでも、お日様は私たちを照らしてくれるし、周りには、花が咲き、小鳥は歌をうたい、犬や猫がいて、1日が始まるという、当たり前のことに感謝して生きないとならないのです。 生を受けたことの意味を考えて、決して奢ることなく、過ごしていきたいものだと改めて思いました。 最後の一文を引用します。 「ページを開いたみなさんへ 平山 弥生 宇宙からの旅人なのでしょうか? それとも 神さまからのおくりものなのでしょうか? すべては いちりんの花から始まりました この本のページを開いたみなさんへ どうか心に咲いている みなさまそれぞれの花を いつまでも いつまでもたいせつに 育ててあげてください いつまでも・・…いつまでも・・…」 心の琴線に触れる文章だと思いました。 多くの方に読んで欲しい作品です。
投稿日:2012/03/03
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